「東日本大震災」が津波を伴う海洋型地震であるのに対し、阪神淡路大震災は都市直下型地震の典型です。
地震全体のエネルギーはマグニチュード7.3 (東日本大震災9.1)ですが、最大震度は7と非常に激しい揺れを記録し、多くのビルを含む家屋や高速道路までが倒壊しました。
そこで1月は、「地震の揺れ」に対する備えを、何回かに分けて紹介します。
今回は、「緊急地震速報」について説明します。
この緊急地震速報は、気象庁が発表するもので、P波と呼ばれる初期微動(縦波・秒速7kn)とS波と呼ばれる主要動(横波・秒速4km)との時間のずれを、地震計や衛星などを駆使して観測し、コンピョータで瞬時に計算して大きな揺れ(S波)が来る前に知らせるものです。
「一般向けの緊急地震速報」は、最大震度5弱以上が予想される時に、震度4以上が予想される地域に発表されます。
<写真:緊急地震速報のテレビ発表イメージ>
この緊急地震速報を知る手段としては、テレビやラジオ、防災無線や携帯電話(スマホ)などがあり、これらの手段により取得した緊急地震速報を生かすには、「大きな揺れがくる数秒から数十秒前に何をするのかを、イメージし訓練しておくこと」が大切です。
「周囲の状況に応じて、あわてず、まず身の安全を確保する」 ことが基本となります。
落下物などの危険物から離れ、ヘルメットや机の下などで頭を守ることが好ましいとされています。余裕があれば、周りの人たちにも同様の行動をとるように、呼びかけたいものです。
もちろん、緊急地震速報は、新幹線や鉄道、エレベーターなどの自動停止装置などにも活用されています。
ただし、緊急地震速報にも限界があります。まず、震源地が近い場合(直下型など)には、地震の方が先に来てしまう場合がありますし、データの解析や発表結果も100%正しいとは言えません。
的中率は、緊急地震速報が発表され始めた2007年度から2012年度まで、概ね80%前後ですが、東日本大震災の影響で地震計などが多く故障した2010年度は28%、2011年度は56%と、低くなっています。
それでも、たとえ数秒から数十秒前でも、100%正確でなくても、大地震が来る前に揺れを知らせてくれる唯一の情報である「緊急地震速報」を積極的に活用すれば、(たとえば医療現場や工事現場、輸送機関など)人的被害を軽減できる可能性が高くなるのは間違いありません。
みんなで、緊急地震速報を有効活用するための心構えをもち、イメージトレーニングなどの訓練を実施して、いざという時に備えましょう。
一句: 防災は 「体験」、「見聞」、「備え」から
<写真: 阪神淡路大震災「1.17の記録」より>
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