2015年3月5日木曜日

71年ぶりに発見! 戦艦「武蔵」とは? 

 2015年3月3日、戦艦「大和」の姉妹艦「武蔵」をフィリピン中央部のシブヤン海で発見したと、マイクロソフトの共同創業者で資産家のポール・アレン氏が発表しました。

 今回は、71年ぶりに発見された戦艦「武蔵」について、紹介します。


 
 戦艦「武蔵」は、旧大日本帝国海軍の巨大戦艦で、あの有名な戦艦「大和」の姉妹艦です。
 基準排水量は6万5000トンで、全長263m、46cm砲3連装3基9門などを装備していて、3300名の乗員が乗れたと言われています。

  昭和15(1940)年11月に三菱重工業長崎造船所で進水し、旧大日本帝国海軍が作った最後の戦艦と言われています。

 「武蔵」を造船するときには、隠すための遮蔽倉庫が作られ、上から見える位置にあった「グラバー邸」などを、三菱が買収したと言われています。
 また、進水式の時には長崎市民に外出禁止令が出され、海面が30cm~50cmも上昇し、床上浸水する家も出たと伝えられています。

<写真:在りし日の戦艦「武蔵」全貌>



 「武蔵」は、昭和18(1943)年2月に山本五十六連合艦隊司令長官が乗船し、翌昭和19年5月まで、連合艦隊旗艦になりました。この間、南方で死亡した山本五十六司令長官の遺骨を国内へ運びました。

 内装が豪華であまり戦闘に参加しない「武蔵」は、「御殿」と揶揄されていました。ちなみに、「大和」は同じ理由でホテルと呼ばれていました。

 昭和19(1944)年10月、フィリピン・レイテ沖海戦に、「大和」などと参戦しましたが、10月24日にアメリカ軍機の攻撃をうけ、爆弾44発、ロケット弾9発、魚雷25発などを被弾し、猪口敏平艦長(少将)らとともに沈没しました。

 乗組員2399名のうち、日本へ無事帰還できたのは、わずか400名と伝えられています。

 戦艦「武蔵」の艦体は長い発見されなかったため、「戦艦・武蔵は海底に沈まず、
船体を維持したまま、海中を彷徨っている。」との伝説が生まれました。

 「宇宙戦艦ヤマト」の作者松本零士氏は、「超時空戦艦まほろば」の中で、海中を彷徨う戦艦「武蔵」を描いています。

 この戦艦「武蔵」が、2015年3月、71年ぶりにフィリピン・シブヤン海の海底で、マイクロソフトをビル・ゲイツ氏とともに創業した資産家のポール・アレン氏に発見されました。

 次回は、宇宙旅行会社やSF博物館を作り、アメリカンフットボール(NFL)などのオーナーも務める「愛すべき資産家」、ポール・アレン氏を紹介したいと思います。


<写真:戦艦「武蔵」の主砲>

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