平成27(2015)年3月14日、北陸新幹線が開業しました。
これまで、裏日本と呼ばれ、4時間以上かかった「東京~金沢」が、最速2時間27分で結ばれました。
これで、金沢から東京へ行く方が、金沢から大阪へ行くより、早くなりました。
北陸新幹線の話は、ちょっと落ち着くまでマスコミにお任せしておいて、今回は新幹線の「ちょといい裏話」をいくつか紹介します。
1つ目は、新幹線の英語表現の話です。
まず、問題です。新幹線を英語で言うと、何と言うのかご存じですか?
実は「Shinkansen」と、日本語と同じ読み「シンカンセン」なのです。
これは1964(昭和39)年、東京オリンピックが開催される直前に、世界で初めて開通した東海道新幹線(東京~大阪)が、当時の世界最高速度200kmを記録し、しかも正確・安全に走ったことに、世界中が驚き敬意を払ったことに由来します。
日本語の新幹線が、そのまま「世界のShinkansen」として定着しました。
2つ目は、この東海道新幹線に、1975(昭和50)年に、イギリスのエリザベス女王が乗られた時の話です。
エリザベス女王は、「新幹線は、時計より正確だそうですね。楽しみにしていました。」と言われて、名古屋から東京行きに乗車されました。
ところが、この日は大雨で2分ほど遅れて名古屋に到着し、女王の172個の荷物の積み込みに要した時間などで、静岡駅付近では4分も遅れてしまいました。
女王の期待に応えたい運転手は、自動制御がかかる当時の最高速度210kmより1kmだけ遅い時速209kmで、残りの区間を走り、見事、定時に東京駅に滑り込みました。
エリザベス女王が、感心されたのは言うまでもありません。
<写真:北陸新幹線>
3つ目は、エリザベス女王の国イギリスとフランスを海底トンネルで結ぶドーバー海峡トンネルでの話です。
2009(平成21)年12月、ヨーロッパが大寒波に襲われ、ドーバー海峡トンネルを通る鉄道の主役だったフランス製の高速鉄道TGVが、寒さのためトンネル内で次々と故障し、最大6両が停止し、乗客が16時間も閉じ込められました。
この危機を救ったのが、その月にイギリスでデビューしたばかりの日本製の新幹線「ジャベリ」でした。
寒さをもろともせず、閉じ込められた乗客を救出した日本製の新幹線のイギリスの評価は、超特急で上がりました。
「世界で活躍する新幹線」と言いたいところですが、実は中国をはじめ、タイやメキシコなどでの受注には苦戦しています。
しかし、今回の「北陸新幹線」を含め、日本国内では、早く、遠く、正確で安全な運行が続いています。
来日外国人が増加する中、エリザベス女王のように、日本の新幹線に乗っていただく外国人が増えれば、新幹線が世界に羽ばたく日も近いと期待しています。
最後に、「北陸新幹線」のCMソング、谷村新司さんの「北陸ロマン」の歌詞の一部を紹介します。
🎵
初めての旅は 遥かな夢の先
蜃気楼さがしの 憧憬をたどる旅
(中略)
大人に変わる時 日本海に逢いに行こう
唐紅に染まる 夕陽の あの場所へ 🎵
(「北陸ロマン」 歌:仲間由紀恵・谷村新司、作詞:作曲 谷村新司)
<写真: 金沢駅>
一句: 新幹線 裏から表に 北陸返す
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