昔は、4月から5月にかけての休みを、「飛石連休」と言っていました。
飛び飛びだった休みが、1985(昭和60)年の「国民の祝日に関する法律」の改正で、5月4日が「国民の休日」となって最低3連休となり、「ゴールデンウィーク」という言葉が定着しました。
今年、2015(平成27)年のゴールデンウィークは、4月29日を除いても、土日が休みの人には、5月2日(土)から6日(水・振替休日)まで5連休となり、結構、長期休暇になっています。
しかし、フランスでは、5月の休みが17日あるとフランスのテレビ局が言っていました。土日を全部休みと数えても、13日の日本は、まだまだかも知れませんね。
私も、長期休暇は大好きです。何より「不登校」を心配しなくていいですからね。(ちなみに、我が家の小学生はこの2週間は、学校へ行っています。その話は、別の機会に報告させてください。)
1つ心配なことは、本来の祝日の意味が、ゴールデンウイークで忘れられることです。
特に、5月3日の「憲法記念日」が心配ですので、今回、取り上げます。
憲法記念日は、1947年(昭和22年)5月3日に、「日本国憲法」が施行されたことを記念して、翌1948年(昭和23年)に祝日法によって制定された国民の祝日です。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨としています。
憲法改正の是非が言われていますが、賛成・反対の議論はともかくとして、現行の最高法規である憲法を知ることは、大切なことだと思います。
残念ながら、5月3日には、憲法改正の「賛成派」と「反対派」の集会だけが、目立っているような気がしますので、中立の視点から日本国憲法について考えてみたいと思います。
<日本国憲法施行 記念切手>
日本国憲法は、1946(昭和21)年11月3日に公布され、翌1947(昭和22)年5月3日に施行されました。
当時の閣議の議論では、施行の日が5月1日では、「メーデー」で当時占領していたGHQ(アメリカ軍)の了解が取りにくく、5月5日では「端午の節句」で男の子の日であり男女平等の憲法趣旨に反するので、間の5月3日にしたそうです。
ちょっと、安易な決め方かも。
もちろん、以前紹介したように、施行の日のちょうど半年前の「公布の日」を、11月3日の明治天皇の誕生日だった「明治節」(現在の文化の日)にしたかったことも、5月3日になった大きな要因のような気がします。
「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」の3つが、日本国憲法の三大要素と呼ばれ、その特徴であると言われています。
日本国憲法については、1946(昭和21)年11月3日の憲法公布の日に、昭和天皇が出された勅語に、わかりやすくまとめられていますので紹介します。
「本日、日本国憲法を公布せしめた。
この憲法は、帝国憲法を全面的に改正したものであつて、国家再建の基礎を人類普遍の原理に求め、自由に表明された国民の総意によつて確定されたものである。
即ち、日本国民は、みづから進んで戦争放棄し、全世界に、正義と秩序とを基調とする永遠の平和が実現することを念願し、常に基本的人権を尊重し、民主主義に基いて国政を運営することを、ここに、明らかに定めたものである。
朕は、国民と共に、全力をあげ、相携へて、この憲法を正しく運用し、節度と責任を重んじ、自由と平和とを愛する文化国家を建設するように努めたいと思う。」
— 昭和天皇による日本国憲法公布の勅語、1946年(昭和21年)11月3日
<日本国憲法>
前回のテーマの「ビートルズ」つながりで、日本国憲法のエピソードを1つ紹介します。
ある日、日本国憲法の小冊子を、妻のオノ・ヨーコさんからもらった元ビートルズのジョン・レノンさんは、それから数日後に、あの名曲「イマジン」を作詞したそうです。
このエピソ-ドを聞いてから、「イマジン」の歌詞を見てみると、なるほどと思いませんか。
🎵「イマジン」 (歌・作詞・作曲 ジョン・レノン)
(前略)
Imagine there's no countries 想像してごらん 国境のない世界を
It isn't hard to do そんなに 難しいことじゃないはず
Nothing to kill or die for 殺人も 死もない
And no religion too 宗教だってない
Imagine all the people 想像してごらん すべての人々が
Living life in peace 平和の中で生きることができる世界を
ジョン・レノンさんの作ったこの名曲「イマジン」が、日本国憲法の前文や9条の平和主義を参考に作られていると思うと、少し誇らしいような気がします。
憲法と言えば、一つ、紹介したい憲法前文があります。
永世中立国「スイス」の憲法の前文の一節です。
「自由を行使する者のみが自由であるということ 及び国民の強さは弱者の幸福によって測られるということを確信し、憲法を制定する。」(スイス憲法 前文)
特に後半部分、「国民の強さは弱者の幸福によって測られる」って言葉が、憲法に記載されているって重いですね。
経済優先で格差が広がり、生活保護世帯が史上最多になった今の日本は、スイス憲法的には、どうなんでしょうね。
もちろん、日本国憲法も、世界に誇れる内容だと思います。
改正の必要があるかどうかも含めて、5月3日の憲法記念日に「日本国憲法」を1度読んでみるのも、いいのでは、ないでしょうか。
<おまけ>
5月3日は、憲法記念日以外に、こんな日です。
・リカちゃん人形の誕生日 (1967(昭和42)年に発売)
・「世界報道自由デー」 (1993(平成5)年 国連が制定)
・三冠馬「ナリタブライアン」誕生日 (1991(平成3)年生まれ)
・作曲家:中田喜直さん死去 (1923年- 2000年5月3日)
「夏の思い出」「雪の降る街を」「めだかの学校」などを作曲
・元日本弁護士連合会会長 中坊公平さん命日(1929年- 2013年5月3日)
正義の弁護士と言われた
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