2015年4月1日水曜日

なぜ4月1日が「新年度&エイプリルフール」?

 日本では、4月1日が新年度の始まりです。
 また、4月1日は、欧米や日本で「エイプリルフール」と言われています。

 ではなぜ、4月1日が、「新年度」で「エイプリルフール」などでしょう?


 まず、「新年度」について紹介します。

 日本は、江戸時代までは暦(旧暦)どおり、1月から12月までが会計や行政上も1年でした。

 ところが、1886(明治19)年に、日本の会計年度が4月1日から翌年3月31日までと定められました。
 学校の1年も、これに合わせて4月1日から3月31日になりました。

 理由としては、次の2つの説が有力です。

 第1の説は、農業国であった日本は、お米の収穫に基づき税金を納めていましたが、その計算が、秋に米を収穫してすぐの新暦の1月では難しいので、陽気もよく、新たな米作のサイクルが始まる4月になったという説です。

 もう1つの説は、当時、日本がいろいろとお手本にしていた大英帝国、イギリスの年度が、4月1日から翌年の3月31日であったので、これを真似したという説です。
 この説の方が、説得力があるように思えます。

 ちなみに、世界各国の年度を見てみると次のようになります。

・  1月~12月 フランス、ドイツ、ロシア、中国、韓国、南米諸国など
・  4月~ 3月 日本、イギリス、インドなど
・  7月~ 6月 ノルウエー、ギリシャ、オーストラリアなど
・ 10月~ 9月 アメリカ、ミャンマーなど

 では、イギリスの年度はどうして、4月1日からなのでしょう。

 中世のヨーロッパでは、1年の始まりは3月25日でした。
 ところが、徐々に1月1日始まりの国が増え、イギリスでも、1752年(日本では江戸時代中期)から、「1年の年初を、3月25日から1月1日に変更する」と、イギリス国教会が決定しました。

 ここで、問題になったのは「税金も含めて、年の払いは、年明け後1週間、つまり4月1日まで猶予する。」という慣習でした。

 新年が1月になると、借金の期限が3月も早くなってしまいます。
 そこで、混乱を避けるために、「税金を含む経済活動の1年は、4月1日から翌年3月31日までとする」と、決められたのです。
 これが会計年度の始まりで、4月1日が、その初日となりました。




 次に、この4月1日が「エイプリルフール」という、嘘をついてもいい(?)日になったのは、なぜでしょう。
 
 いつくつか説がありますが、最も有力な説は、先ほどの3月25日に新年が始まり、4月1日までが「中世ヨーロッパの正月」だったことと、関係します。

 1564年(日本では戦国時代)に、フランス王シャルル9世が、新年を、それまでの3月25日から1月1日に変更する暦を採用しました。

 これに反発した庶民が、4月1日を「嘘の正月」として、馬鹿騒ぎをしました。
 王様シャルル9世は、自分の命令に従わないことに激怒して、馬鹿騒ぎをした庶民を次々と捕まえて処刑しました。中には、13歳の少女までいました。

 この事件を忘れないように、庶民の間に、「4月1日は嘘をついてもいい日=エイプリルフール」が習慣となり、世界各国に広まりました。

 それから現在まで、4月1日には、様々なウソがつかれています。
 いくつか、4月1日につかれた、有名なウソを紹介します。

・1938(昭和13)年4月1日に、アメリカのラジオで放送された「火星人来襲」というドラマが、あまりにリアルすぎて、避難する人が続出してパニックになりました。

・1985(昭和60)年4月1日に、アメリカの有力スポーツ紙が、「メッツのキャンプ場にシド・フィンチという新人プレーヤーが現れた。彼は最速で168マイル(時速268.8キロ)の球を投げる。」という記事を紹介して、大騒ぎになりました。
・イギリスのBBCは、毎年、4月1日にウソの報道をします。中でも1957(昭和32)年の「スパゲティの木が大豊作」と報じたことは、有名です。
 また、1980(昭和55)年には、「ロンドンのビッグ・ベン(大時計)がデジタル化される」と報道して話題になりました。




・日本では、シンガーソングライターの中島みゆきさんが、ラジオ番組「オールナイトニッポン」で、1986(昭和61)年に、「この番組はテレビでも中継しています」と放送して、聴視者の多くがテレビをつけたという逸話があります。


 罪のないウソはいいですよね。今年は、どんなウソが、エイプリルフールに出るのか、楽しみです。

 では、最後に問題です。次のうち、ウソはいくつあるでしょう。

(1) STAP細胞はあります!
(2) アベノミクスで日本人みんなの収入が増えます。
(3) 松井秀喜選手がヤンキースに選手として復帰します。

 答えは、みなさんで考えてみてください。

 最後に、新年度から値上がりするものがたくさんあります(これは本当です)が、4月1日から始まる平成27年度、がんばりましょう!



 

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