9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。」
これは、8月26日に鎌倉市中央図書館の司書河合真帆(44歳)さんが、Twitterの公式アカウントから呼びかけた投稿で、8月29日22時現在で9万RT(リツート)を超え、「お気に入り」の登録も7万件を超えています。
マスコミでも「優しさあふれる感動のツイート」として、大きく取り上げられましたので、ご存じの方も多いと思います。
河合司書さんは、次のように語っています。
「実は、私も小学生のころ、いじめに遭い、学校に行くのがつらかったんです。
子どもの自殺が最も多いのは、夏休み明けの9月1日という報道を読みこのツイートを書きました。
また、米国の図書館にあった<自殺したくなったら図書館へ>というポスターを思い出したのも、きっかけになりました。」
この感動のメッセージに、「五体不満足」の著者乙武洋匡さんは、「すごくいいね。うちの妻も子供の頃は、友達がいなくて休み時間はずっと図書館にいたと言っていました。」というコメントをよせています。
また、堀江貴文(ホリエモン)さんも、「いいね」のコメントを寄せています。
<鎌倉市立中央図書館 (神奈川県)>
ここからは、河合真帆司書さんが話していた「夏休み明けの9月1日が、子供の自殺者が一番多い。」という事実について、考えてみたいと思います。
内閣府の平成26年度版「自殺対策白書」は、過去40年間の「累計日別自殺者数」を独自集計し、18歳以下の子どもの自殺は、4月や9月など「長期の休み明け」に突出していることを明らかにしました。
これまで自殺者数は、月別、年次などに区切って出されていたため「日別」に、18歳以下に限って発表されたのは初めてでした。
それによると、40年間の1日平均が50人ほどであるのに対して、9月1日が突出して多く、131人で、8月31日が92人、9月2日は94人となっています。
自分の経験でも、楽しかった夏休みが終わる8月31日と9月1日は、宿題と学校のことで、本当にブルーで、押しつぶされそうになった記憶があります。
1997(平成9)年8月31日には、中学生による焼身自殺・体育館放火事件がありましたし、2012(平成24)年9月1日には、群馬県の高校1年の男子が鉄道自殺しています。
最近では、8月下旬に2学期を始める学校も多く、今年(2015年)の8月25日には、同じ群馬県の中学2年男子が、始業式の日に登校する途中で、鉄道自殺しています。
不登校経験者の女性(20歳)は、「夏休み明けの9月1日は何度も死にたいと思った日でした。新学期からのいじめが、また続くかと思うと怖くてたまらなかった。」と話しています。
<1975年~2014年までの18歳以下の日別自殺者数 (内閣府「自殺対策白書」)
山梨県立大学の清水恵子教授は、「いつも見ているテレビに興味を示さない」とか、「食欲がない」、「眠れていない」、「宿題ができていない」などの兆候に気づいたら、家族が声をかけてほしいと話され、時には、「学校を休んでもいいよ。」と言ってあげることも考えてほしいとアドバイスしています。
「休み明けの自殺が多いのは現場の実感です。とくに9月1日、夏休み明けは親が気を付ける日です。
1学期、登校しぶりのあった子が、宿題ができていないとか、身体の具合が悪いと訴えたら赤信号です。
「休ませる勇気」こそ、親の愛情表現です。
いじめや孤立で学校に居場所のない子どもは追い詰められれば自ら命を絶ちます。
安心して休む場所があれば、子どもは命を絶たずにすむのです。」
<図書館>
専門家のみなさんは、「がんばれ」とか「我慢して学校へ行きなさい」はNGと言いますが、我が家の子供のように、不登校になってしまうと、本当は「がんばれ」「我慢しろ」と言いたいです。
学校に行かない(行けない)子供の将来を考えると、不安で仕方ありません。
一方で、河合真帆司書さんがおしゃったように、「自殺するより、図書館へ逃げておいで」というのは真実だと思いますし、死ぬぐらいなら本の海で心を癒してほしいと思います。
もう一つ、私は図書館の本やマンガから、自分で立ち向かう「勇気」やテレビドラマ「ど根性ガエル」のような「ど根性」を見つけてほしいと願っています。
思えば私自身、学生時代から今までずっと、嫌なことがあったり人生に疲れると、知らぬ間に本屋に寄って立ち読みして、「癒しと元気」をもらっていました。
もしかしたら、本には、知識を得るだけでなく、ヒーリング効果や「勇気・元気(ファイト)の種」もあるのかも知れません。
死にたい子は、一旦は図書館に避難していいから、図書館の本の中から、「試練に立ち向かう、勇気・元気を見つけて」生きていってほしいと、心から思います。
<一句>
・本たちは 知識と勇気 癒しアイテム
・死ぬ前に 図書館シェルター 1冊の本
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