「秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」
この歌は、平安時代の歌人・藤原敏行(?~901年)の短歌で、「古今和歌集」に収められています。
夏の終わり、秋の初めになると、思い出される歌ですが、この歌の前には「秋立つ日よめる」と書かれていて、「立秋」に詠まれた歌です。
今年の立秋は8月8日でしたが、8月の下旬になって、やっと秋の訪れを感じるようになりました。
「立秋の日から風は吹き増さる」という平安時代の言葉を受けた、「風の音にぞ おどろかれぬる」という歌だそうですが、2015年の秋の訪れを告げたのも、台風15号の大きな「風の音」でした。
そんな季節のことをテーマに最近作った、自作の詩を書きます。
<写真 イワシ雲>
詩 「夏から秋へ ~目にはさやかに見えねども~」
暑い眩しい夏の風
いつしか涼しい風の音
空に浮かんだ入道雲が
知らぬ間に イワシ雲に変わった
幽霊・怖い話が減って
ハロウィンのかぼちゃが 増えていく
夏から秋へ 目にはさやかに見えねども
微かに季節は動いてる
長い長い夏の夕暮れ
真っ赤な夕焼け 揺れている
少しずつ でも確実に 夕暮れは
早く短くなってゆく
黄昏 誰そ彼 たそがれ それは淋しい色
シュワシュワ シュワシュワ クマゼミが消え
ツクツク ツクツク ツクツクボウシの悲鳴
夏から秋へ 目にはさやかに見えねども
秘かに季節は動いてる
シオカラトンボが アカトンボに変身し
緑の稲穂が 金色に変わる
カブトムシが卵に変わり
ススキの草むら 虫の声
宿題たまった子供の悲鳴
「夏休み日記」も ラストページへ
夏から秋へ 目にはさやかに見えねども
確かに季節は動いてる
<写真 金色の稲穂>
台風15号の風雨、みなさんの所は大丈夫でしたか?
「安保法案」、「世界同時株安」そして「新学期」
いろいろな意味で正念場の秋ですね
問題山積の秋ですが ボジテイブに前向きにがんばろうと思っています。
「ファイト! 私そしてみなさん」
<一句>
・秋立ちて 夜空に 虫のシンフォニー
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