全国的に梅雨明けして、いよいよ8月、本当に暑いですね。(今、朝9時ですがエアコンを切っている部屋の気温は、32度を超えています。)
今回は、「2015年夏(7月末まで)の猛暑ランキング」と「熱中症対策」について、取り上げたいと思います。
昨日のお昼頃、山道を車で運転していると、道路の気温板が「40度」を表示していました。
「うそだろ。」
信じがたい気温に、ショックを受けました。
もちろん、これは温度計の設置場所の関係もあり正式な気温ではありませんが、国道なので一定の基準で観測さているはずです。
ちなみに、3時間後の帰り道でも、「38度」ありました。(写真)
<写真 7月31日の道路表示板(某所)>
それでは、今年、日本で最も暑い場所は、どこなのでしょう?
2015年夏の「猛暑ランキング」を紹介します。(2015年1月1日~7月31日、アメダス観測)
まず、「日最高気温」のベスト5を見てみましょう。
・1位 群馬県館林 39.3度
・2位 福島県梁川 39.1度
・3位 福島県福島 39.0度
・4位 千葉県牛久 38.6度
・5位 新潟県高田 38.5度
こう見てみると、西日本や沖縄ではなく、意外にも東日本(関東・東北・新潟)がベスト5になっています。
東日本の夏の方が、西日本より暑いのでしょうか?
因みに、これまでの日本観測史上の日最高気温ベスト5を紹介してみます。
1 | 高知県 | 江川崎 | 41.0度 | 2013年8月12日 | |
---|---|---|---|---|---|
2 | 埼玉県 | 熊谷 | 40.9度 | 2007年8月16日 | |
2 | 岐阜県 | 多治見 | 40.9度 | 2007年8月16日 | |
4 | 山形県 | 山形 | 40.8度 | 1933年7月25日 | |
5 | 山梨県 | 甲府 | 40.7度 | 2013年8月10日 |
ここでも、1位の高知県を除くと東日本が優勢ですね。もう1つ言えるのは、ベスト5のうち4回は8月になってから記録された気温です。
これからが、夏本番ということでしょうか。
次に、「猛暑日(最高気温が35度以上)」の日数を見てみましょう。
・1位 17日 (群馬県館林)
・2位 12日 (群馬県桐生、群馬県伊勢崎、埼玉県熊谷の3か所)
・5位 11日 (茨城県古河、栃木県佐野、栃木県小山、群馬県前橋、埼玉県鳩山、岐阜県多治見の6か所)
関東が上位独占です。それにしても、館林の「猛暑日17日」は断トツです。
やっぱり、東日本が暑いみたいです。
ところが、「真夏日(最高気温30度以上)」と「熱帯夜(最低気温が25度以上)」になると、状況は一変します。
まず、「2015年真夏日」の日数ベスト5です。
・1位 74日 (沖縄県石垣島)
・2位 73日 (沖縄県波照間、沖縄県志多阿原)
・4位 72日 (沖縄県下山、沖縄県仲筋、沖縄県所野、沖縄県西表島)
次に「2015年熱帯夜」の日数ベスト5です。
・1位 75日 (沖縄県仲筋)
・2位 74日 (沖縄県石垣島、沖縄県志多阿原)
・4位 72日 (沖縄県所野、沖縄県与那国島、沖縄県波照間)
みごとに、沖縄県が上位を独占しています。
因みに、島しょ部を除く本土(北海道、本州、四国、九州)での最上位は、「真夏日」が30位(42日)の群馬県館林で、「熱帯夜」は38位(18日)の千葉県千葉です。
まとめると、「日本の暑さ」全体として言えるのは、「真夏日」や「熱帯夜」は南国・沖縄県が多いですが、「35度以上の猛暑日」や「最高気温」は東日本を中心とした本土の方が多く、真夏に限れば、東日本の方が沖縄よりも暑いということになりますね。
後半は、暑さ対策、特に熱中症対策を中心に紹介します。
消防庁の発表では、7月20日~26日の1週間の「全国熱中症患者搬送数」は7392人で、前週より1162人も増加しました。
さらに、今年初めからの「熱中症搬送患者」は、2万人を超えているそうです。
熱中症を起こすのには、次の3つの要因だと言われています。
(1)「環境要因」=気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど
(2)「からだの要因」=幼児、高齢、病弱、肥満、二日酔いなど
(3)「行動要因」=激しい労働や運動、長時間の屋外作業、水分補給ができないなど
これらの要因によって、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、様々な障害をおこす症状を、「熱中症」と呼びます。
主な症状と対処方法は、3段階に分けられます。
<1段階> めまい・立ちくらみ・手足のしびれなどの症状
→(対処) 涼しい場所へ移動・安静・水分補給など
<2段階> 頭痛・吐き気・体に力が入らないなどの症状
→(対処) 涼しい場所へ移動・体を冷やす・安静・十分な水分と塩分の補給、病院受診
<3段階> けいれん・運動障害・意識障害などの症状
→(対処) 涼しい場所へ移動・安静・体が熱ければ保冷剤などを使い、迷わず「119」番通報し救急車を呼ぶ
特に重要な「水分補給」の話をします。
人間の60%は水分、0.9%は塩分でできています。
人が生命を維持するためには、必ずこの二つが、体内で一定基準を保っていなければいけないのです。
そこで、この水分量と塩分濃度を保つのに必要なのが、「水分と塩分の補給」です。これらには、「水」と「スポーツドリンク」が有効です。
ただし、ビール、お茶、コーヒーなどは、利尿作用があるので期待できず、それどころか逆効果になることもあります。
小まめな水分補給、とりわけ起床時と就寝前に、コップ1杯を飲むことが重要です。
<高校野球の応援>
最後に、熱中症のちょといい話を紹介します。
ある高校野球の地方大会で、高校2年生のサクラちゃんは、憧れの先輩Aさんの試合をスタンドで、応援していました。
A先輩とは、ほとんど話したこともないサクラちゃんでしたが、この時ばかりは、堂々とAさんを応援できます。
「A先輩、がんばれ!」
サクラちゃんは、一生懸命に応援しました。
この日は、35度を超える「猛暑日」で、スタンドの応援も最高潮に達していました。
ところが、真夏の日差しを浴びて、さくらちゃんは少し頭痛がしましたが、「暑いなんて、言っている場合じゃないわ。」と気にもしていませんでした。
異変に気づいたのは、最終回になった頃のことです。
体の汗が止まらず、次第に意識が遠くなっていきました。
気がつくと、サクラちゃんは病院のベットで、点滴を受けていました。
その枕元に、なんとA先輩がユニフォームのままで、いてくれたのです。
「やあ、大丈夫かい。急に倒れてびっくりしたよ。」
A先輩が、笑って言いました。
「気がついたの。Aさんが、ここまであなたを運んでくれたのよ。」
看護師さんの声を聞いて、サクラちゃんは思わず布団にもぐりこみました。
そして、小さな声で「真夏の太陽さん、ありがとう。」とつぶやきました。
<一句>
応援に 熱中し倒れる 熱中症
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