2015年8月10日月曜日

「高知のよさこい」から「日本のYOSAKOI」へ そして「龍馬よさこい」も

  8月9日~12日まで高知県高知市で行われる「よさこい祭り」は、全国に広がった「よさこい、YOSAKOI」の元祖とも言える祭りです。
 2015(平成27)年は、参加206チーム、踊り子19000人で、人出は100万人以上と言われています。

 今年で第62回目を向かえた「よさこい祭り」は、1954(昭和29)年8月に隣りの徳島県の「阿波おどり」に対抗して、不況を吹き飛ばし市民の健康を祈願し夏枯れの商店街振興を促すため「高知商工会議所」が中心となり、第1回目を開催し、参加人数は750人、参加団体は21団体でした。

 ルールは、
(1)チームあたりの参加人数は150人以下
(2)鳴子を持って前進する振り付け。
(3)曲のアレンジは自由だが、「よさこい鳴子踊り」のメロディーを必ず入れる。
(4)地方車(じかたしゃ)と呼ばれるトラックが先導
などが決まっていますが、比較的自由なおどりです。

<高知 よさこい祭り ポスター 2015年>



 高知で「よさこい祭り」を見た北海道大学の学生長谷川岳さん(1971年~ 愛知県出身 現・参議院議員)が、「ソーラン節」と「よさこい踊り」をミックスした「よさこいソーラン祭り」を企画し、1992(平成4)年、北海道札幌市で第1回「YOSAKOIソーラン祭り」が開催されました。
 さらに、TBSのテレビドラマ「3年B組金八先生」でクラスの団結の踊りとして、「よさこいソーラン節」が紹介されるなど、若者にも受け入れられていきます。

 以後、「よさこい」「YOSAKOI」は、サンバ、ロック、ヒップホップ、フラメンコ、フラダンスなど各々のチームのアレンジで、ダンスコンテスト的な要素を取り入れ、若者たちの支持を得て普及し全国各地に広がっていき、「高知のよさこい」から「日本のYOSAKOI」になりました。

 全国の主な「よさこい・YOSAKOI」祭りを、開催時期に沿って紹介します。

・6月上旬  「YOSAKOI ソーラン祭り」 (北海道札幌市 1992年~) 観客218万人
・7月下旬 「紀州よさこい祭り」 (和歌山県和歌山市 2004年~) 観客28万人
・8月上旬  「うらじゃ」 (岡山県岡山市 1994年~) 観客50万人
・8月9~12日 「よさこい祭り」  (高知県高知市 1954年~) 観客100万人

・8月下旬 「にっぽんど真ん中祭り」 (愛知県名古屋市 1999年~) 観客153万人
・10月上旬 「みちのくYOSAKOIまつり」 (宮城県仙台市 1998年~) 観客 47万人
・10月上中旬 「ふくこいアジア祭り」 (福岡県福岡市 2000年~ )  観客 50万人
・11月上旬「ドリーム夜さ来い祭り」 (東京都お台場エリア 2002年~) 観客50万人


  「よさこい」は、「夜さり来い」という古語が変化したもので、「夜になったらおいで」という意味です。
  よさこい祭りのテーマソングとも言える「よさこい鳴子踊り」は、土佐の民謡「よさこい節」をもとに、武政英策(たけまさ・えいさく 1907年~1982年 愛媛県出身)さんが作詞・作曲し、「よさこい祭り」の発展に大きく貢献しました。
  ちなみに、この武政さんは、1959(昭和34)年にペギー葉山さんが歌い大ヒットした「南国土佐を後にして」も作詞しています。

 それでは、「よさこい・YOSAKOI」の歌詞をいくつか紹介します。
 まずは高知の「よさこい鳴子踊り」の1番を紹介します。


「よさこい鳴子踊り 」作詞・作曲/武政英策

ヨッチョレヨ ヨッチョレヨ 
ヨッチョレ ヨッチョレ ヨッチョレヨ
ヨッチョレ ヨッチョレ ヨッチョレヨ

高知の城下へ来てみいや(ソレ)
じんまも ばんばも よう踊る
鳴子両手に よう踊る よう踊る ]

土佐のー(ヨイヤサノ サノ サノ)
高知の はりまや橋で(ヨイヤサノ サノ サノ)
坊さん かんざし買うをみた(ソレ)
よさこい よさこい(ホイ ホイ)♪


<札幌 YOSAKOIソーラン 2015年ポスター>




 続いて、人出では全国1位になった、札幌の「YOSAKOIソーラン」節の一節を紹介します。


ドッコイショ ドッコイショ
ソーラン ソーラン
ドッコイショ ドッコイショ
ソーラン ソーラン

ヤーレン ソーラン ソーラン ソーラン
ソーラン ソーラン (ハイハイ)
声を嗄れよと 唄声上げて
腕もちぎれよ 舞姿 チョイ
ヤサエ エンヤ-
サーノドッコイショ



 「よさこい・YOSAKOI」は、フランス・ニースのカーニバルやマレーシアでも踊られたことがあり、世界進出も果たしています。
 また、アニメの世界でも、『ハナヤマタ』(作:浜弓場双)という「よさこい」に打ち込む女子中学生たちの物語が、2014年にTV東京で放送され人気を博しています。

 最後は、高知と言えば「英雄 坂本龍馬」ですが、その龍馬が眠る京都東山の「霊山護国神社」で、龍馬が生まれ亡くなった毎年11月(今年は7日、8日)に開催されている「龍馬よさこい」で、歌われる龍馬語録を入れた「おどるぜよ!」という曲の歌詞を紹介します。


「おどるぜよ!」


日本を今一度洗濯いたし申し候

花のお江戸の両国橋へ
按摩さんが眼鏡を買いにきた
お医者の頭へ雀が止まる
止まるはずだよ藪医者だ


私しゃ野に咲く一重の桜
八重に咲く気はさらにない


(中略)

貧すといえども浮雲の富を求むるなかれ
窮すといえども丈夫の志を屈するなかれ
矯々龍の如く 沈々虎の如し 身を潜め名を隠し
まさに一陽来復の時を待つべし


さらば土佐の海よ
ほいたらグッドバイ! ♪


 
<一句>

よさこいは フリーじゃ飛べよ 世界へと
   

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