2015年7月7日火曜日

「サラダ記念日」と「七夕(たなばた)」

 7月6日は「サラダ記念日」、そして7月7日は「七夕(たなばた)」です。
 今回は、7月上旬のこの2つの行事・記念日について、紹介します。

 まず、「サラダ記念日」についてです。

「『この味がいいね』と 君が言ったから 七月六日は サラダ記念日」

 印象的なこの歌(短歌)は、1987(昭和62)年に俵万智(たわら・まち 1962年大阪府門真市生まれ)さんが出した歌集「サラダ記念日」(河出書房新社)に収録されているもので、280万部のベストセラーになりました。
 昭和の末期の作品ですが、今でも、7月6日は「サラダ記念日」と言われています。

 ところが、俵万智さん本人のツイートでは、君(当時の恋人)が「この味がいいね」と言ったのは、本当はサラダではなく、「鶏のから揚げ」にカレー味をつけたものだったそうです。

 君が言った日も「7月6日」ではなかったそうで、サラダと同じSで始まる「7月」の七夕という特別な日の前日の何でもない日、「7月6日」を記念日に選んだそうです。

 ということは、

「『この味がいいね』と君が言ったから 七月七日は鶏のから揚げ」
になっていた「恐れ?」もあったようですね。
 こうならなくて、よかったですね。やれやれ。



  

  次は、「七夕(たなばた)」の話です。

  7月6日の夜から7月7日にかけて行われる行事「七夕」の主な神事は、7日の「夜明けの晩(午前1時頃)」に行われるものです。

 万葉集にも
「たなばたの 今夜あひなば つねのごと 明日をへだてて 年は長けむ」
と詠まれているように、奈良時代にはすでに、「たなばた」という言葉が登場しています。

 今のように、笹に「願いごと」を書いた短冊をつけて飾るようになったのは、江戸時代と言われています。
 明治5(1872)年に東京で生まれた作家・岡本綺堂の「半七捕物帳」には、江戸の子供たちが、7月6日に短冊に習字で「清書」して、7日の夜明けの晩に飾ったという記述が見られます。

 今では「七夕」は、7月上旬に行う地域(例:神奈川県平塚市「湘南ひらつか七夕まつり」 7月第1週金・土・日)と、月遅れの8月上旬に行う地域(例:宮城県仙台市「仙台七夕まつり」8月6日~8日)、そして旧暦の7月7日に行う地域(今年は8月20日)の、大きく3つに分かれています。

 七夕は、本来は「女子のまつり」の色彩が強く、機織りなどの技能上達を祈ったとも言われています。
 しかし、もう一つの側面としては、1年に1度だけ天の川を渡って会えるという「織女と牽牛」の伝説に象徴されるように、「男女の出会いの日」であったとも言われています。
 
 今年(2015年)の「湘南ひらかた七夕まつり」は雨だったようですが、8月6日~8日の「仙台七夕まつり」や、旧暦の七夕の日(8月20日)には晴れて、恋人たちに天の川を渡って再会して欲しいものです。


♪ 文部省唱歌 「たなばたさま」

作詞:権藤はなよ、作曲:下総皖一

1 ささの葉さらさら 
  のきば(軒端)にゆれる
  お星さまきらきら
  きんぎん砂子

2 五色のたんざく
  わたしがかいた
  お星さまきらきら
  空からみてる





 おしまいに、「サラダ記念日」と「七夕」を結びつける話を紹介します。

 「サラダ記念日」の作者俵万智さんは結婚せずに男の子を設け、「七夕まつり」で有名な宮城県仙台市で子育てをしていました。
 ところが、2011年3月11日の「東日本大震災」に遭遇し、沖縄県石垣島へ子供と移住し、現在は、南国の島で「子育てと創作活動」をしています。

 そんな俵万智さんの「七夕」を詠んだ歌を紹介します。
「天の川 君と二人の ベッドから 七夕の星の 別れ見ていた」(俵万智)


 最後に私も1首。
「ロマンスと 花火消えゆく 七夕に ため息一つ 星に願いを」

 

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