今回は、7月上旬のこの2つの行事・記念日について、紹介します。
まず、「サラダ記念日」についてです。
「『この味がいいね』と 君が言ったから 七月六日は サラダ記念日」
印象的なこの歌(短歌)は、1987(昭和62)年に俵万智(たわら・まち 1962年大阪府門真市生まれ)さんが出した歌集「サラダ記念日」(河出書房新社)に収録されているもので、280万部のベストセラーになりました。
昭和の末期の作品ですが、今でも、7月6日は「サラダ記念日」と言われています。
ところが、俵万智さん本人のツイートでは、君(当時の恋人)が「この味がいいね」と言ったのは、本当はサラダではなく、「鶏のから揚げ」にカレー味をつけたものだったそうです。
君が言った日も「7月6日」ではなかったそうで、サラダと同じSで始まる「7月」の七夕という特別な日の前日の何でもない日、「7月6日」を記念日に選んだそうです。
ということは、
「『この味がいいね』と君が言ったから 七月七日は鶏のから揚げ」
になっていた「恐れ?」もあったようですね。
こうならなくて、よかったですね。やれやれ。
次は、「七夕(たなばた)」の話です。
7月6日の夜から7月7日にかけて行われる行事「七夕」の主な神事は、7日の「夜明けの晩(午前1時頃)」に行われるものです。
万葉集にも
「たなばたの 今夜あひなば つねのごと 明日をへだてて 年は長けむ」
と詠まれているように、奈良時代にはすでに、「たなばた」という言葉が登場しています。
今のように、笹に「願いごと」を書いた短冊をつけて飾るようになったのは、江戸時代と言われています。
明治5(1872)年に東京で生まれた作家・岡本綺堂の「半七捕物帳」には、江戸の子供たちが、7月6日に短冊に習字で「清書」して、7日の夜明けの晩に飾ったという記述が見られます。
今では「七夕」は、7月上旬に行う地域(例:神奈川県平塚市「湘南ひらつか七夕まつり」 7月第1週金・土・日)と、月遅れの8月上旬に行う地域(例:宮城県仙台市「仙台七夕まつり」8月6日~8日)、そして旧暦の7月7日に行う地域(今年は8月20日)の、大きく3つに分かれています。
七夕は、本来は「女子のまつり」の色彩が強く、機織りなどの技能上達を祈ったとも言われています。
しかし、もう一つの側面としては、1年に1度だけ天の川を渡って会えるという「織女と牽牛」の伝説に象徴されるように、「男女の出会いの日」であったとも言われています。
今年(2015年)の「湘南ひらかた七夕まつり」は雨だったようですが、8月6日~8日の「仙台七夕まつり」や、旧暦の七夕の日(8月20日)には晴れて、恋人たちに天の川を渡って再会して欲しいものです。
♪ 文部省唱歌 「たなばたさま」
作詞:権藤はなよ、作曲:下総皖一
1 ささの葉さらさら
のきば(軒端)にゆれる
お星さまきらきら
きんぎん砂子
2 五色のたんざく
わたしがかいた
お星さまきらきら
空からみてる
おしまいに、「サラダ記念日」と「七夕」を結びつける話を紹介します。
「サラダ記念日」の作者俵万智さんは結婚せずに男の子を設け、「七夕まつり」で有名な宮城県仙台市で子育てをしていました。
ところが、2011年3月11日の「東日本大震災」に遭遇し、沖縄県石垣島へ子供と移住し、現在は、南国の島で「子育てと創作活動」をしています。
そんな俵万智さんの「七夕」を詠んだ歌を紹介します。
「天の川 君と二人の ベッドから 七夕の星の 別れ見ていた」(俵万智)
最後に私も1首。
「ロマンスと 花火消えゆく 七夕に ため息一つ 星に願いを」
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