2017年1月3日火曜日

「(逃げ恥)恋」「前前前世」「(嵐)ふるさと」~2016年流行歌ブログ(後)~

明けましておめでとうございます。
年末、NHK紅白歌合戦を見ながら、「演歌が減って、演歌の紅白から、やっと時代に追いついて来て、リアルタイム紅白になったなあ」と思いました。

そんな紅白で、印象に残った曲の中からいくつかを紹介しながら、前回の続き、2016(平成28)年の後半を振り返ってみたいと思います。

<朝 陽>



まず7月は、19人が殺害される「相模原障害者施設殺傷事件」が発生しました。今でも、悲しい気持ちでいっぱいです。
他には、「フランスのテロで84人が死亡」、「ポケモンGO日本上陸」、「参議院選挙で改憲勢力が勝利」、「広島・黒田投手の日米通算200勝」などのニュースがありました。

つついて8月は、「リオデジャネイロ・オリンピック」の金メダルダッシュに沸きました。
他には、「台風10号が観測史上初めて東北太平洋岸から上陸」して、死者22名、行方不明5名を出しました。中でも、岩手県岩泉町の高齢者施設で、高齢者9人が犠牲になったのはショックでした。

映画では、8月26日に公開された「君の名」は、興行収入で史上2位の大ヒットになり、
RADWIMPSが歌う主題歌「前前前世」も大ヒットして紅白でも、歌われました。
その歌詞の一部を紹介します。


♪「前前前世」~映画「君の名は」主題歌♪(歌:RADWIMPS、作詞・作曲 野田洋次郎)


やっと眼を覚ましたかい それなのになぜ 眼を合わせやしないんだい?
「遅いよ」と怒る君 これでもやれるだけ飛ばしてきたんだよ

心が体を追い越してきたんだよ

君の髪や瞳だけで 胸が痛いよ
同じ時を吸い込んで 離したくないよ
遙か昔から知る その声に
生まれてはじめて 何を言えばいい?

君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな 笑い方をめざして やってきたんだよ

(中略)

君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
その騒がしい声と涙をめがけ やってきたんだよ

そんな革命前夜の僕らを 誰が止めるというんだろう
もう迷わない 君のハートに 旗を立てるよ
君は僕から 諦(あきら)め方を 奪いとったの♪


 あえて、「革命」とか「旗」とかが入っている部分を紹介しました。
 というのは、2016年の紅白歌合戦で、演歌に変わって出場したロックやポップスの人たちの歌の特徴は、このような「強いメッセーッジ性」と「様々な形の恋愛」だと思ったからです。

 4人組のロックグループ「RADWIMPS」は、実は2001年に結成された結構、キャリアのあるバンドです。
 バンド名は、「RAD」(すごい、かっこいい、などの意味をもつアメリカ英語の俗語)と
「WIMP」(弱虫、いくじなしの意味の英語)を組み合わせたもので、「かっこいい弱虫たち」というような意味です。

 2011年の東日本大震災の時には、このバンドが中心になって「糸色」という被災地への応援メッセージと義援金を募るサイトを立ち上げ、2500万円以上を集めて寄付しています。
 本当に、かっこいい弱虫バンドですね。


<映画「君の名は」の予告チラシ>



 さて、2016年の出来事に戻ります。
 9月は、「東京・豊洲市場の盛り土問題」が話題になった一方で、プロ野球では「広島カープの25年ぶりのセリーグ優勝」、「日本ハムの4年ぶりパリーグ優勝」などがありました。

 10月には、「大隅良典氏がノーベル医学・生理学賞」「ボブ・ディランさんがノーベル文学書」をそれぞれ受賞し、話題になりました。また、「レスリングの伊調馨選手が国民栄誉賞」を受賞しました。

 さらに、10月から12月までTBS系テレビで放送された「逃げるは恥だが役に立つ」(原作 海野つなみの漫画)が話題となり、特に主題歌「恋」はピコ太郎の「PPAP(ペン・パイナップル・アッポウペン)」と並んで大ヒットしました。
 主演の新垣結衣さんと星野源さんが踊る「恋ダンス」が社会現象ともいえるほど流行しアメリカのケネディ駐日大使なども、恋ダンスを踊る動画をアップし、関連公式動画の再生回数は1億2500万回を超えました。

 2016年の紅白歌合戦で、1番盛りあがったのは、星野源さんが歌い、審査員の新垣結衣さんも恥ずかしげに少しだけ踊った「恋ダンス」のシーンだったように思えます。


♪「恋」~ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」主題歌~(歌・作詞・作曲 星野源)♪


営みの街が暮れたら 色めき
風たちは運ぶは カラスと人々の群れ

意味なんかないさ 暮らしがあるだけ
ただ腹を空かせて 君のもとへ帰るんだ

物心ついたら ずっと見上げて思うことが
この世にいる誰も 2人から

胸の中にあるもの いつか見えなくなるもの
それはそばにいること いつも思い出して
君の中にあるもの 距離の中にあることを
恋をしたの あなたの指の交ざり 頬の香り
夫婦を超えてゆけ 
2人を超えてゆけ
1人を超えてゆけ♪


 この歌に込められているメッセージは、「一般的な男女の恋愛だけでなく、同姓同士や、自分一人の片思いなども含め、多様化するすべての恋愛を応援するラブソング」(星野源さんの言葉)ということで、
誰もが受け入れやすいポップなメロディーに乗せて、「夫婦を超えてゆけ 2人を超えてゆけ 1人を超えてゆけ」と歌っているのが印象的ですね。

 星野源(ほしの げん)さんは、1981年埼玉県生まれのシンガーソングライター、俳優、文筆家です。
 2012年に、31歳の若さで「くも膜下出血」と診断され、病気のために休業しますが、2014年に復活、2015年、2016年と2年連続で紅白歌合戦に出場しています。

 星野源さんの「働く男」というエッセイを買って読みましたが、その中で、こう書いています。

「音楽、芝居、文章、日々、仕事をします。
もちろんお金はたくさん欲しいし、おいしいご飯も食べたいし、女にももてたい。
でも、そのためだけに仕事をするのかというと、ちょっと違う。
(中略)
やりたいことをやるのが好きです。
自分のやりたいと思ったことを仕事にするために、
そして その仕事を成功させるために、努力は惜しみません。
どれだけ忙しくても、働いていたい。
それが、俺の思う『働く男』です。」
(星野源著「働く男」 発行所(株)マガジンハウスより)


<星野源さんの著書「働く男」>




 
 
さて、再び2016年の出来事です。
 11月のニュースでは、なんといっても大方の予想を裏切って、アメリカ大統領選挙で、共和党のドナルド・トランプ氏が当選し、第45代米大統領に内定したことが、2016年、最大の番狂わせでした。
 もう一つ、世界史に残るニュースはキューバの「フィデル・カストロ元議長の死」だと思います。

 12月には、「韓国・朴大統領の弾劾訴追案の可決」「SMAP解散」などのニュースがありました。

 ちなみに、2016年の日本レコード大賞は西野カナの「あなたの好きなところ」が受賞し、紅白歌合戦」の大トリは、白組の「嵐」でした。


 で、最後に、いや2017年の最初に取り上げたいのは、大トリを務めた嵐の曲で、全出演者が歌った「ふるさと」です。
 
 私は、「ふるさと」という曲名を聞いて、「♪うさぎ追いし ふるさと」を歌うのかと思っていましたが、全然別バージョンの「♪夕暮れせまる空に 雲の汽車見つけた」で始まる、でも、こちらもとても美しい曲「ふるさと」でした。

 この嵐の「ふるさと」は、2010(平成22)年のNHK紅白歌合戦で嵐が司会を務めることにちなんで企画され作られた曲で、この年の紅白で出演歌手全員が歌いました。

 翌2011年3月11日に、あの「東日本大震災」が起きました。
 その年の暮れの紅白も嵐が司会を務め、再び、全員で「ふるさと」が熱唱されました。

 さらに、翌2012年には、「NHK全国学校合唱コンクール」の小学校の部の課題曲に選ばれ、その年の紅白は嵐だけで歌いました。
 続く2013年の紅白では嵐と全国の小学生が合唱し、2014年は3年ぶりに出場歌手全員で歌われました。
 そして2016年も、出場歌手全員が「ふるさと」を熱唱しました。

 つまり、2010年から2016年までの7回の紅白歌合戦のうち、嵐が司会をしなかった2015年を除いて、実に6回も「ふるさと」がNHK紅白歌合戦で歌われたことになります。
 まさに、紅白の新しいテーマソングとも言っも過言ではない歌だと思います。


♪「ふるさと」(歌:嵐、作詞:小山薫堂、作曲:youth case)♪


夕暮れせまる空に 雲の汽車見つけた
なつかしい匂いの町に 帰りたくなる
ひたむきに時を重ね 想(おも)いをつむぐ 人たち
ひとりひとりの笑顔が 今 僕のそばに

巡りあいたい人がそこにいる やさしさ広げて待っている
山も風も海の色も いちばん素直になれる場所
忘れられない歌がそこにある 手と手をつないで口ずさむ
山も風も海の色も ここはふるさと♪

<ある田舎の町の写真>



年末年始に帰省した人も 都会で過ごした人も
もう一度、ふるさとの自然と人の笑顔を思い出して
2017年も がんばっていきましょう!




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