2017年1月10日火曜日

がんばれ不登校! 全力少年の挑戦・桜は咲いた?

1年間不登校だった小学6年生の男の子が、突然、
(地元では進学校で有名な)私立中学校を受験すると言いだしました。

彼が、小学校に行かなくなったのは5年生の1月頃でした。
家族にも、理由ははっきり言いませんでしたが、ふとんや押し入れに閉じこもって、
無理矢理、学校へ行かそうとすると、刃物まで持ち出してきました。

学校の担任の先生は、電話や親への面接はしましたが、
本気で原因を探ったり、登校できるような対応はしてくれませんでした。

両親は、子供の将来を案じて、無理にでも登校させようとしました。
でも、刃物が出てきた時点で、「殺傷事件」を心配して、登校させるのを諦めました。

あとは部屋に1人こもって、パソコンやゲームをしているだけでした。
家族と、おじいさん・おばあさん、いとこたち以外には、ほとんど会うことも無くなりました。

そして1年近く、もう6年生の年末近くになりました。
お父さん・お母さんは、公立中学への進学を拒否する子供に、
特別支援学校や県外のフリースクールなどを考えるようになりました。

そんな時、突然、「県内の有名私立中学受験」を小学六年生の不登校児が宣言しました。
家族は、「半信半疑」いや「一信九擬」でしたが、応援するしかありませんでした。

彼は、最後まで試験を受けました。
そして、いよいよ発表の日が来ました。


<しゃぼん玉遊びをする子供たち>


結果発表の前に、「不登校」について、簡単に紹介します。

「不登校」という言葉が、文部科学省の「学校基本調査」に出てきたのは、
1998(平成10)年からでした。

「不登校」の定義は、
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により児童生徒が年間30日以上、
登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的な理由」による者を除く)」ということになっています。

文部科学省の調査では、2014(平成26)年度の不登校児童・生徒(いわゆる不登校)は、
小学校2万6千人、中学校で9万7千人で、合計12万3千人もいます。

いまや大きな社会問題となっていますが、なかなか解決できる方法はないのが現状です。

実は、不登校だった有名人は、実はたくさんいます。

たとえば、AKB48の選抜総選挙で2年連続1位になった、指原莉乃(さしはら・りの 1992年大分県生まれ)さんは、中三の時、いじめで不登校になり、その状態から逃げ出すために、上京してAKB48のオーデションを受けて合格しました。
今では、「AKBの奇跡」とまで呼ばれています。

また、AKBの公式ライバル「乃木坂46」で、
トップクラスの人気を誇る白石麻衣(しらいし・まい 1992年群馬県生まれ)さんも、
中学校でいじめにあい不登校になり、母親と埼玉県に引っ越して女子高に入りました。

さらに、タレントのマツコデラックス(本名:松井貴博《まつい・たかひろ》 1972年千葉県生まれ)さんも、あの大きな体で、
学生時代に不登校を、社会人になってから引きこもりを経験しています。

他にも、お笑い芸人の千原ジュニア(本名:千原浩史《ちはら・こうじ》 1974年京都府生まれ)さんも、中学・高校と不登校・引きこもりでした。

また、歴史上の人物でも、あの坂本龍馬(1836年~1867年 高知県出身)が、塾を不登校になって破門になったり、発明王トーマス・エジソン(1847年~1931年 アメリカ出身)はわずか3ヶ月で、不登校・退学になっています。

実は、私も中学校でいじめられて、毎日、不登校・自殺を考えていました。
それを助けてくれたのは、「日記」でした。

 だから、「子供の時失敗しても、大人になってもう1度チャンスが来るからいいんだよ。」という、
マツコ・デラックスさんの言葉には、深く共感できます。



 さて、遠回りしましたが、いよいよ合格発表の日の話です。
 その日、「合否通知」が、封筒で届きました。

 結果を見てショックを受けることを心配した母親が、
「お母さんが開けようか」というと、

全力少年は、躊躇なく封筒を取り、
「僕の試験だから、自分で開けるよ。」
と言って、封を切りました。

中から出てきた紙に書いてあったのは、

<桜>


なんと、

「合格」の二文字でした。

本人は、「当たり前」みたいな顔をしていましたが、
周りの大人は、「キセキだ。夢だ。桜が咲いた。」と驚きました。

引きこもり・不登校の全力少年の、「下克上受験」は成功しました。


♪「全力少年」(歌:スキマスイッチ、作詞:大橋卓弥 作曲:常田真太郎)♪



躓(つまず)いて 転んだら 置いてかれんだ
泥水の中を 今日もよろめきながら進む

汚れちまった僕のセカイ 浮いた話など無い
染みついた孤独論理 拭えなくなっている

試されてまでも ここにいることを決めたのに
呪文のように「仕方ない」とつぶやいていた

積み上げたものぶっ壊して 身に着けたもの取っ払って
止め処ない血と汗で 乾いた脳を潤せ
あの頃の僕らは きっと全力で少年だった

セカイを開くのは 誰だ?

(中略)

積み上げたものぶっ壊して 身に着けたもの取っ払って
幾重に重なり合う 描いた夢への放物線
紛れもなく 僕らずっと 全力で少年なんだ

セカイを開くのは僕だ
視界は もう澄み切っている♪


<スキマスイッチの故郷「愛知県」にある「トヨタ博物館」>


 今回の小六生は、とりあえずは受験に合格したけれど、
 本当に、学校へ行くようになるのかは まだまだわかりません。

 これからも、周りの大人は 全力少年を見守っていきます。

 でも、大人の方が、彼、全力少年に教わったこともあります。

「夢は、時には 叶うこともある。でも、ほとんどは叶わない。
それでも、失敗も人生では許される。

小学校で失敗すれば、中学校でがんばればいい。
中学校で失敗しても 高校でがんばればいい。

学校で失敗しても 大人になってがんばればいい。
全力で生きていれば チャンスは何度でも訪れる。

AKB48の指原莉乃さんも
乃木坂46の白石麻衣さんも

マツコデラックスさんも
千原ジュニアさんも

坂本龍馬も
トーマス・エジソンも

失敗して不登校になっても
みんな、全力で立ち上がり
そして
未来をつかんだんだ。」

これが、小六の君が教えてくれたことです。

孤独を超えてゆけ
未来へ超えてゆけ
ファイト






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