台風13号(マーロウ=マカオの言葉で瑪瑙(めのう))と本州の南岸に伸びる前線の影響で、沖縄から九州、四国、本州、北海道までの広い範囲で「大雨」になる可能性が高まっています。
台風13号は、沖縄近海で誕生し、九州・四国・本州の南海上を進み、9月8日には熱帯低気圧に変わる見込みです。
しかし、台風が運んできた雨雲と前線が影響しあって、九州・四国から本州・北海道まで、広い範囲で大雨になることが予想されています。
特に関東、近畿、中国、東海などで大雨が降っています。ほかにも被災地域も含め、全国で警戒してください。
○2016年9月7日23時30分現在の警報発表地域(10道府県)
北海道、栃木県、群馬県、埼玉県、大阪府、奈良県、和歌山県、大分県、熊本県、沖縄県
気象庁の発表では、9月7日18時から8日18時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で
・近畿地方 250ミリ
・沖縄地方、東海地方、関東甲信地方 150ミリ
・北陸地方 120ミリ
・奄美地方、四国地方 100ミリ
の見込みです。
<天気図 2016年9月7日18時 (気象庁HP) >
今回は、大雨に関する気象警報・注意報等を紹介します。
まず、「大雨注意報」は、大雨による災害が発生するおそれがあると予想されるときに発表されます。
対象となる災害として、浸水災害や土砂災害などがあげられます。雨がやんでも、土砂災害などのおそれが残っている場合は、発表が継続されます。
発表基準は地域によってことなりますが、例えば「東京都港区」では、平坦地で3時間に50mm以上の雨が予想される場合、または平坦地以外で1時間30mm以上の雨が予想される場合に「大雨注意報」が出ます。
ほかに、「土壌雨量指数(どじょううりょうしすう)」が123以上の時にも発表されます。この土壌雨量指数には単位はありませんが「土の中に含まれる水分の量」で、指数が高いと土砂崩れが起こりやすいということになります。
この指数の計算方法は複雑ですが、おおまかな目安としては「1時間雨量-2」を合計していった値で、0になるとリッセトされます。
たとえば、1時間20mmの雨が3時間降れば、(20-2)×3時間=54となり、その後、5時間雨が降らなければ、54ー(2×5時間)=44に下がります。(あくまで目安で、正確ではありません。)
次に「大雨警報」は、大雨による重大な災害が発生するおそれがあると予想されるときに発表され7ます。対象となる重大な災害として、重大な浸水災害や重大な土砂災害などがあげられます。雨がやんでも、重大な土砂災害などのおそれが残っている場合は、発表を継続します。
これも発表基準は地域によって異なりますが、「東京都港区」の場合は、平坦地で3時間に100mm以上の雨が予想される場合、または平坦地以外で1時間60mm以上の雨が予想される場合に「大雨警報」が出ます。
ほかに、「土壌雨量指数(どじょううりょうしすう)」が154以上の時にも発表されます。
つまり、大雨注意報や大雨警報が想定している災害は、「浸水被害」と「土砂災害」ということになります。
大雨警報よりさらに上位の「大雨特別警報」は、台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合に発表されます。
この大雨特別警報の発表基準は、「48時間降水量」か「3時間降水量」または「土壌雨量指数」が50年に1度以上の高い地域が、府県程度の範囲で一定以上出現した場合に出されます。
「大雨特別警報」が発表された場合、浸水や土砂災害などの重大な災害が発生するおそれが著しく大きい状況が予想されます。雨がやんでも、重大な土砂災害などのおそれが著しく大きい場合は、発表が継続されます。
<大雨の警報・注意報のイメージ>
ほかに気象庁が発表する大雨に関する情報としては、「記録的短時間大雨情報(例:大阪市で4時から5時間の1時間に100mmの雨量を観測)」や、「土砂災害警戒情報(都道府県と共同で発表)」などがあります。
これらは、非常に危険な状態になっていることを意味します。
しかし、「避難勧告」や「避難指示」などの「避難情報」を出すのは、基本的には市区町村なので、気象庁や都道府県が、そのタイミングや地域の判断を支援する情報を出しているという意味合いもあります。
ただ、最終的には、個人の安全は個人が判断して守る必要があります。
「気象警報・注意報」や「避難情報」は、気象庁・都道府県・市区町村のホームページや、テレビ・ラジオ、さらに防災無線や「民間気象会社」などからも取得できます。(防災メールなどのサービスをしているところも多いです。)
台風接近時や大雨の時は、「早めの情報取得」と「早めの避難や防災対応の行動」心がけましょう。
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