2016(平成28)年8月末、台風10号(ライオンロック)が東北・北海道を直撃し死者が14人になり、まだ心肺停止の人や行方不明者が複数います。
台風10号の被害の全貌も判明しないうちに、今度は九州・西日本に台風12号の接近・上陸の恐れが出ています。
その後、この台風は北日本へ向かう可能性もあります・
熊本地震の被災地や台風10号の被災地の北日本はもちろん、進路にあたる九州・西日本の皆さん、十分に警戒してください。
<台風12号進路予測 2016年9月3日3時 気象庁HP>
台風12号(ナムセーウン)は、9月3日午前3時現在、北緯28度30分、東経130度30分の奄美大島の東約100kmの太平洋上にあって、北へ時速15kmの速さで進んでいます。
中心の気圧は955hp(ヘクトパスカル)、中心付近の最大風速は40m/sの「強い」台風です。
中心から40kmの範囲では、風速25km/s以上の暴風雨が吹いています。
この台風は、9月4日~5日に九州・西日本に上陸する可能性が高く、その後、北日本に向かう可能性もあります。
台風の接近に備えて、(1)非常用品(3日分の食糧・水や、電池・スマホの充電器など)の備蓄、(2)家の内外(窓や屋根、排水溝など)の点検・補強、(3)避難場所や避難ルートを家族などで話し合っておくこと、などをしておきましょう。(詳しくは、前回のブログ記事「Uターン台風10号、史上初、東北太平洋岸に上陸の恐れ!」をごらんください。)
<避難情報>
ここでは、台風10号で、岩手県などで避難情報などが適切に活用できずに、大きな被害がありましたので、改めて、避難情報について紹介します。
「避難情報」は、災害対策基本法や「自治体の地域防災計画」などに基づき、地方自治体(基本的には市区町村)が発表する「住民避難のための情報」で、「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」の3つの段階に分かれています。(避難準備情報→避難勧告→避難指示の順に緊急性が高くなります。)
まず、「避難準備情報(ひなんじゅんびじょうほう)」は「避難の準備をしてください」という、一般的には緊急性の低い情報です。
この情報が出たら通常は、気象情報(警報や河川はんらん情報)や自治体の発表する情報などをこまめに取るとともに、避難に備えて、持ち出すものの準備や避難ルート、避難場所の確認などをしてください。
ただし、災害時要援護者(老人、子供、身体障害者などの一人で避難をするのが難しい人たち)のいる家庭や施設では、「避難準備情報」が出された段階で、より安全な場所(避難所や水害の場合は2階以上の高い場所)に避難を始めてください。
台風10号で9人が亡くなった岩手県岩泉町のグループホームでは、町から「避難準備情報」が出されていましたが、この後半の部分の意味(災害時要援護者は避難行動を取る)が理解できていなくて、多くの犠牲者が出てしまいました。
2番目に緊急性の高い「避難勧告(ひなんかんこく)」は、文字通り「避難してください」という自治体からの呼びかけ(勧告)です。
自力で避難できる方は、この段階で避難するのが適切です。ただし、河川のはん濫などの水害の場合で夜間やすでに浸水が始まっている場合は、2階以上の高い場所に避難した方が安全な場合もあります。
もっとも緊急性の高い「避難指示(ひなんしじ)」は、「危険が差し迫っています。ただちに避難してください。」という自治体の呼びかけですが、法的には原則として強制力はありません。
あくまで、自分の判断と責任で避難することになります。
最後に、台風豆知識として「台風の名前」について、紹介します。
「台風10号(ライオンロック)」、「台風12号(ナムセーウン)」と紹介しましたが、このうち、「台風○号」は、北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上の「熱帯低気圧」を「台風」と呼び、毎年1月1日から発生順に「1号」「2号」「3号」というように番号をつけます。
次に「ライオンロック」や「ナムセーウン」という名前は、2000(平成12)年から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(日本・中国・タイなど加盟14ヶ国などが提案した名前)を、順に付けていて、各国10個ずつ合計140の名前を使いまわししていきます。
ただし、大きな被害のあった台風の名前は、それ以降は使われません。
ちなみに、台風10号の「ライオンロック」は香港の山の名前、台風12号の「ナムセーウン」は、ラオス中部の川の名前です。
<台風10号の名前の由来 香港のライオンロック>
北日本に大きな被害をもたらした「台風10号(ライオンロック)」に続き、今度は九州・西日本に「台風12号(ナムセーウン)」が接近・上陸する可能性が高くなっています。
台風情報だけでなく市区町村の「避難情報」や気象警報、河川警報なども、ネットやテレビなどでこまめにチェックして、できるだけ早めの行動をとり、被害を減らしましょう。
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