2016年6月26日日曜日

イギリスでEU離脱の風が吹くと・・・日本から犬が消える?

 2016(平成28)年6月23日に行われたイギリスの国民投票で、「EU(欧州連合)離脱派」が過半数をとり、イギリスのEUからの離脱が決定的となりました。

 これを受けて、6月24日、日本を含む世界の株式市場は「暴落」しました。
 さらに、ユーロ安・ポンド安・ドル安が進み、比較的安全とされる円が買われ、一時、1ドル99円台にまで円高が進みました。

 このため、アベノミクスが目指していた「円安誘導、株高」とは真逆の、「円高・株安」の方向に世界の市場は動いています。
  この辺の経済の話や、「イギリス」という国の紹介は、回を改めて紹介したいと思っています。

 今回は、世界的にショックな事件を、視点を変えた笑いにして 「イギリスのEU離脱の影響」を、「風が吹けば桶屋(おけや)が儲かる」風に予想してみたいと思います。

<イギリス通貨・ポンド>

 


 先に、私の考えた「ことわざ」を紹介します。

「イギリスでEU離脱の風が吹くと・・・日本から犬が消えます」


  この「ことわざ」の説明の前に、まず、もともとの日本の諺(ことわざ)、「風が吹くと、桶屋(おけや)が儲かる」を紹介します。

 「風が吹くと」のことわざは、江戸時代の浮世草紙「世間学者気質(1768年)」や、有名な十返舎一句の滑稽本「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ 1803年)」に出てくるもので、この2つでは「桶屋」が「箱屋」になっています。

 内容を現代語訳で紹介します。

 「今日の強風で、土ぼこりが立って人の目の中へ入れば、世間に盲人がたくさん出来る。   
 そこで、三味線がよく売れる。そうすると猫の皮が、たくさん必要となるので、世界中の猫が減る。
  そうなれば、鼠(ねずみ)が暴れ出し、箱の類をかじる。
  ここで箱屋をしたら、良いようななものだが、これも元手がなくては出来ない。」
        (無跡山散人著 「世間学者気質」の現代訳)

  簡単にまとめると、「風が吹く」→「ほこりが人の目に入り盲人になる」→「盲人が引く三味線が売れる」→「三味線に使う猫の皮が必要となる」→「世界中の猫が減る」→「ネズミが増えて箱(桶)をかじる」→「箱屋(桶屋)が儲かる」、ということで、ある出来事が一見関係のない事に影響を及ぼすという、たとえ話です。

 「金融緩和で円安・インフレが進むと、国民が幸せになる。」というアベノミクスも、ちょっとこの理論に似ていると思うのは、私だけでしょうか?



<江戸時代の桶屋>




 前置きが長くなりましたが、本題に戻り、説明します。
 
(1) 「イギリスでEU離脱の風が吹くと、円高になります。」
  これは、2016年6月24日にすでに、実際の相場で実証されています。イギリスがEU離脱表明すると、EUの通貨「ユーロ」やイギリスの通貨「ポンド」の信用がさがり、比較的安全な円が買われ、米ドルに対しても円高になりました。

(2) 「円高になると、海外からの来日客が減ります。」
  円高になると、海外から日本への旅行費用が相対的に高くなり、2014年に史上最高の1341万人に達した来日客も、減ってしまいます。

(3) 「来日客が減ると、日本での欧米ポピュラー音楽の人気が低迷します。」
  来日客が減るということは、欧米の人気歌手の来日やコンサートも減り、ビートルズやワン・ダイレクションなど、EU離脱問題発祥の地のイギリスをはじめとする「欧米ポピュラー音楽」の人気が、日本国内で低迷します。
 
(4) 「ボピュラー音楽に替わり、日本の伝統音楽が流行し三味線が売れます。」
  西洋音楽、いわゆるボピュラー音楽の人気が落ちると、日本の伝統音楽が流行し、和楽器、特に三味線が売れます。(ここは、だいぶ無理があるかな?)

(5) 「三味線が売れると、日本から犬が消える?」
     三味線が売れると、三味線の材料となる犬が消えてしまいます。
  ここで、「ちょっと待った。三味線の材料は猫でしょ。」という声が聞こえてきそうですね。

  確かに江戸時代の諺では、「風が吹くと・・・三味線の材料の猫が減る」となっていましたが、実は今の三味線の材料は、犬の方が多く、しかも価格も猫の半分ぐらいなんです。
  ですから、「三味線が売れると、犬が消える」のです。

 以上をまとめると、<新ことわざ>は、「イギリスでEU離脱の風が吹くと・・・日本から犬が消える」ということになります。

<犬の皮の三味線>




 最後にお断りですが、「風が吹くと桶屋が儲かる」のことわざは、もともと、「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論・言いぐさ」とも言われています。

 ということは、当然、「イギリスでEU離脱が吹くと・・・犬がきえる」も、こじつけだと一笑に伏してください。

 ただし、現在の三味線の材料に「犬」が多いのは事実です。
 そのうち、98%の犬皮は輸入もので、残りは保健所で処分した犬の皮を使うそうです。

 1本の三味線を張り替えるのに、犬皮だと2万~3万円ぐらい、猫だと4万~6万円の費用が必要なんだそうです。

 その犬・猫の皮の外国からの輸入も、動物愛護の問題などで、最近では難しくなってきていて、「カンガルー」の皮を使う動きもあるそうです。
 「カンガルー三味線」って、びっくりですね。

 蛇足ですが、「イギリスと犬」といえば、ゴールデン・リトリバーやコリー、ピーグルやブルドッグなど、イギリス原産の犬も多いのですが、「三味線」にはなりそうにありませんねえ。


 <一句>
 三味線と 犬の人気は バチとハチ

 
 

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