2016年7月10日日曜日

選挙権も鳥の羽も、使わなければダメになる?

2016(平成28)年7月10日は、参議院選挙です。

 憲法改正、安保法案、経済政策(アベノミクス)の是非、などが争点ですが、「今回は日本の将来を決める」ことになるかも知れない大切な参議院選挙だと思っています。

 私は、「どうしても投票しておかないと」という思いで、先日・期日前投票に行きました。

 参議院議員1人を決めるための費用は、4億円とも言われています。選挙権は、貴重な権利ですが、使わなければダメになります。
 後悔しないためにも、税金を無駄にしないためにも、ぜひ、「投票に行きましょう!」



 今回の参議院選挙から、選挙に参加できる年齢が「20歳から18歳」に、引き下げられました。

 世界的に見ると、アメリカ、イギリス、フランスなどのG7の参加国をはじめ、選挙権年齢のデータがある192の国・地域のうち、170の国・地域が選挙権年齢が18歳以上となっています。

低い方では、16歳以上に選挙権が与えられている国も、オーストリア、キューバ、ブラジルなど6カ国あり、インドネシアやスーダンなどは17歳です。

20歳で選挙権が与えられるのは、カメルーン、台湾など7つの国と地域だけになり、21歳がクエート、シンガポールなど12カ国です。
最も選挙権年齢が高いのはアラブ首長国連邦で、25歳です。


今は普通にある「選挙権」ですが、この権利を獲得するのには壮絶な歴史があります。

男子の普通選挙権が世界で初めて与えられのは、多くの犠牲者を出した「フランス革命」時代の1792年のフランスで、被選挙権は25歳以上、投票権は21歳以上とされました。

しかし、普通選挙制度はすぐに廃止され、次にフランスで男子普通選挙が導入されたのは、50年後の1848年の「第二共和政」の時代でした。

アメリカで男子普通選挙が導入されたのは1870(明治3)年で、イギリスは1918(大正7)年、ドイツは1919(大正8)年と、まだ100年にもなっていません。

特に、第1次世界大戦終戦の翌年の1919年に、共和政ドイツで行われた選挙は「世界初の完全普通選挙」でした。
ここで重要なのは、以前紹介したように、この民主的な選挙の中で、ヒットラーが率いるナチスが勢力を伸ばしたことです。

「普通選挙の権利」も、しっかり使わないと、間違った方向に行ってしまうことを忘れてはいけないと思います。

日本で「25歳以上の男子全員」に選挙権が与えられのは、1925(大正年14)年で、「20歳以上の男女全員」に拡大されたのは、太平洋戦争が終わった1945(昭和20)年まで待たなければなりませんでした。

その間には、市川房枝(いちかわふさえ 1893年~1981年 愛知県出身 元参議院議員)さんをはじめとする戦前・戦後の日本の婦人参政権運動(婦人運動)があったことを忘れてはならないと思います。

私たちの1票は、「歴史と未来」が込められた大切な1票なのです。




最後に、「鳥の羽がこの140年で小さくなった」という、驚くべき調査結果を紹介します。

オーストラリア国立大学は、「1860年から2001年にかけての約140年間に採集された、517羽の鳥の標本」を徹底調査した結果、鳥の体の大きさの指標となる羽根の長さが、1.8%~3.6%短くなっていることが確認されたと発表しました。

原因は、「地球温暖化」だと説明しています。

動物には、「ベルツマンの法則」という、赤道に近いところに生息するほど体が小さく、高緯度に生息するほど大型になる傾向があります。

 最も分かりやすい例は、話題の「クマ」だと思います。
 北極のシロクマが最も大きく、カナダのグリスリー(ハイイログマ)がこれに次ぎ、アメリカのクロクマ、日本の北海道のヒグマ、本州のツキノワグマとだんだん小さくなって、赤道付近の東南アジアのマレーグマなどは小さい種類になります。

この理由は、体が大きいと体内に熱を蓄えやすく、小さいと体外に放熱しやすくなるからだ言われていますが、鳥で言えば、「暖かいエサを摂りやすい場所では飛ばなくなり、寒い場所ではエサを求めて遠くまで飛ぶ(たとえば渡り鳥)」から、温暖化で羽が退化しているのではないでしょうか。


恐竜の子孫とも言われる鳥類は、「空を自由に飛ぶ羽をもつこと」で、進化してきました。
でも、ちょっと油断すると、数千万年かけて培ってきた大切な羽も退化してしまいます。

同じことが、「普通選挙権」にも言えるのでは、ないでしょうか。
過去の歴史の中で、人類が培ってきた貴重な選挙権も、しっかり正しく使わないと、ドイツの普通選挙がナチスを台頭させたように、大切な自由や民主主義を失いかねないのです。




みんなで投票に行って、日本の未来をしっかりと選択しましょう!


<一句>

 大空を 飛ぶため大切 羽と一票

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