2016(平成28)年5月26日と27日に、日本の志摩市賢島の志摩観光ホテルで「主要7ヵ国首脳会議(G7)」が開催されます。
日本の安倍首相、アメリカのオバマ大統領をはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7ヵ国(G7)と、欧州連合(EU)が参加します。
主要国首脳会議は、以前は「先進国首脳会議」と呼ばれていました。
「第1回先進国首脳会議」は、1975(昭和50)年、フランスのランブイエで開催されました。
この時のメンバーは、フランス、イギリス、アメリカ、日本(三木武夫首相)、西ドイツの5ヵ国に、5ヵ国開催を不服として勝手(?)に乗り込んできたイタリアのモロ首相を加えた6ヵ国でした。
なんだか、最初からドタバタ感満載ですね。
第2回からは、「ヨーローッパに偏り過ぎる」というアメリカ・フォード大統領の意見で、カナダが加わり7ヵ国(G7)になりました。
さらに、1998(平成10)年のバーミンガム会議からは、ロシアが参加し「G8サミット」と呼ばれるようになりました。ただし、2014年以降は、「ウクライナ・クリミア」問題でロシアは、参加停止になっています。
<「サミット」を知らせる国道表示板(2016年5月25日)>
こう見てくると、先進国首脳会議は、「北半球の先進国」に限った会議ですね。
サミットが始まった当時の「第一次石油危機」や「米ソ冷戦当時」などの「差し迫った世界的危機」があれば、先進国の結束や共同の経済政策という会議の意義は大きかったと思います。
しかし、経済政策でも、対ロ、対中政策でも、一枚岩ではない国々が集まるG7の意義は、少し希薄なような気がします。
G7のメンバー自体も、イタリアのように強引に入ってきたり、「アジアの経済大国の代表は日本ではなく中国ではないか」という話も聞こえる中、結果を出さないと「主要国首脳会議(G7サミット)」の存在意義を問われそうな気がします。
因みに「G7」は、GREAT7ではなく、「Group of Seven」の略ですので、必ずしもメンバーが大国である必要はありません。
「先進国首脳会議」の歴史を振り返ってみると、2009(平成21)年のイタリアでのサミットでは、同年4月に起きた「ラクイラ地震」の支援のために、急遽、開催地を当初予定の「ラ・マッダレーナ」から、被災地「ラクイラ」に変更したことがあります。
日本のサミットも、「熊本」か「九州」に開催地を変更するとか、みんなで「広島の平和公園」に行くとかしたら、その意義も、よりいっそう広がったのではないかなと思います。
<伊勢志摩サミット「記念切手」>
一方、2016年5月23日と24日、G7サミットに時期をあわせたように、「世界人道サミット」がトルコのイスタンブールで開催されました。
参加国は、なんと170ヶ国に達し、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も出席しました。
そこでは、次の「5つの核となる責任」を中心に議論が展開されました。
1) 紛争を予防・解決するためのグローバルなリーダーシップ
2) 人道規範の護持
3) だれも置き去りにしない
4) 人々の暮らしを変える―届ける支援から、人道ニーズ解消に向けた取り組みへ
5) 人道への投資
テーマを見ているだけでも、何かいいですね。
特に3番目の「だれも置き去りにしない」というのは、人道サミットらしくて、暖かいと思います。
ただし、この「世界人道サミット」には、G7の多くの国の首脳が出席しませんでした。
時期の問題もあったのでしょうが、残念ですね。
そんな中、G7首脳でただ一人、ドイツのメルケル首相だけは、両方に出席をしました。
ドイツの人道支援の本気度が伺えますね。
<伊勢志摩の地図>
最後は、サミットの舞台「三重県志摩」を有名にした御木本幸吉氏と、世界の発明王エジソンが会った時のエピソードを紹介します。
御木本幸吉(みきもと・こうきち 1858年~1954年 三重県生まれ)さんは、家族との数十年に渡る苦労の末、志摩市にある小さな島で「世界初の真円(まん丸の)真珠の養殖に成功しました。
そして、1927年、アメリカ・ニューヨークの郊外で、電球や蓄音機を作った発明王トーマス・エジソンと会いました。
この時、エジソンは、御木本さんがもってきた真珠を見て、笑顔でこう言ったそうです。
「私の研究室で、できなかったものが2つだけあります。一つはダイアモンド、もう一つはパール(真珠)です。
あなたが、動物学上も不可能と言われていた真円パールを発明したのは、本当に驚くべきことで、すばらしい。」
今回の伊勢・志摩サミットの舞台となった英虞(あご)湾には、サミット会場の志摩観光ホテルのある「賢島(かしこじま)」 のほかに、御木本幸吉が初めて真珠の養殖に成功した「多徳島 」も浮かんでいます。
<英虞湾(三重県志摩市)>
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