2017年7月25日火曜日

アイドルの坂道(8)乃木坂46の新曲「逃げ水」センターは3期生・17歳コンビ

 2017(平成27)年3月発売の17枚目のシングル「インフルエンサー」が、実売100万部を突破し、11月には東京ドーム2days公演を発表した乃木坂46。 名実ともに、AKB48の公式ライバルとして女子アイドルのトップを争う存在になっています。

 先日、その乃木坂46の2017年8月発売予定の18枚目シングル「逃げ水」の選抜メンバーが発表され、大きな話題になっています。
 この曲で初めて3期生から選抜メンバー2人が誕生し、しかもWセンターとなったのです。

 乃木坂46は、2017年7月現在、文字通り「46人」のメンバーで構成されています。
 このうち、2011年お披露目の1期生が半分の23人、2013年加入の2期生が11人、そして2016年加入の3期生が12人となっています。

 これまで乃木坂46の中心は1期性で、センター経験者8人中7人を占め、2期生は堀未央奈さんがセンターを1回経験しているだけでした。
 ところが、今回、大園桃子(おおぞの・ももこ)さんと与田祐希(よだ・ゆうき)さんの2人の3期生が選ばれました。

 新センターになった2人には、いくつか共通点があります。
 1つは、年齢が2017年7月時点で17歳であること。次に、九州のかなり田舎の出身であることです。さらに、弟がいること、血液型がO型であることなどです。

 今回は2人のプロフィールとふるさと、そして2人がセンターの新曲「逃げ水」について、紹介します。

<写真 大園桃子さんの母校、鹿児島県立曽於高等学校>



 まず大園桃子(おおぞの・ももこ)さんは、1999(平成11)年9月13日生まれのO型で、鹿児島県曽於(そお)市の出身です。 曽於市は、 2005年に曽於郡末吉町・財部町・大隅町の3町が合併してできた市で、人口は3万7000人ほどです(2017年7月)。
 位置的には、鹿児島県東部の大隅半島の北部・内陸部にあります。

 大薗桃子さんは、曽於市立大隅中学校を卒業後、2014年に開校したばかりの鹿児島県立曽於(
そお)高等学校に進学しました。

 中学時代は剣道部に所属し、剣道2段の腕前ですが、高校では野球部のマネージャーをしていました。

 大園桃子さんの自宅は、結構な田舎にあって、周りは田んぼ・畑と山だらけ、最寄り駅まで車で40分、高校も車で10分以上かかるので、通学はスクーターを使っていたそうです。

 大園さんは、2016年の乃木坂46の三期生オーデションに応募し、4万8986人の応募者から4000倍以上の倍率を突破し、見事12人の合格者に選ばれ、3期生の暫定センターにもなりました。
 ところが、結構、泣き虫で乃木坂46の冠番組「乃木坂工事中」(テレビ東京系)でも、号泣してしまいました。
 少しメンタルが弱く、乃木坂46のセンターとして、やっていけるのかどうか心配する声もあります。

 でも、トマトが大好きで、テレビ番組でも、泣いている時にトマトを与えると泣き止んだという逸話があります。(笑)
 逆にスイカは大嫌いだそうです。


<写真 与田祐季さんの故郷 志賀島(福岡県福岡市東区)>




 もう一人の3期生センターの与田祐季(よだ・ゆうき)さんは、2000(平成12)年5月5日生まれのO型で、福岡県福岡市東区志賀島の出身です。 地元で「陸続きの島」と呼ばれる志賀島(しかのしま)は、人口1500人ほどで1本の道路で福岡市中心部と結ばれています。

 志賀島といえば、歴史好きの人はピンときませんか?

 そうです。江戸時代の1784(天明4)年に、邪馬台国の重要資料とも言われる純金製の「漢委奴国王」と書かれた金印が発見されたのが志賀島です。
 因みに、金印は、現在は福岡市博物館にあり、「国宝」になっています。



 志賀島は、海の中道と志賀島橋の陸路で九州本土と結ばれているほか、博多港へのフェリーも運行されていて、福岡市中心部へは、陸路で1時間、海路なら30分ほどです。

 
 与田祐季さんの通っていた小学校は、全校生徒が20人の小さな学校で同級生は4人だったそうです。
 中学校ではソフトテニス部に入っていましたが、一時、不登校になったこともあります。
 中学校を卒業後、福岡県立玄界高等学校に進学しました。

 与田祐季さんの自宅がある志賀島は、大園さんの地元に負けないほど田舎で、野生のイノシシが出る通学路があり、イノシシに遭遇したとき、イノシシは直進しかできないので、真横に逃げて難を逃れたと、与田さん自身が言っています。

 実家には、犬が1匹、ウサギを2羽、ヤギが2頭いるそうです。(ヤギの1匹のメープルは2016年末に、死んでしまったそうです。)
 たくさんの動物を自宅で飼っていて、与田さん自身も動物好きの癒し系という噂です。

 与田さんも、2016年の乃木坂46の三期生オーデションに応募し、4000倍以上の倍率を突破し、見事12人の合格者に選ばれ、3期生になりました。

 テレビの「乃木坂工事中」で与田さんは、「野生のイノシシからの逃げ方」や「一輪車実技」などを披露して、153cmという小さな体ながら、「小さくても色気はあるとよ」と福岡弁で話して、ファンを魅了しています。


 ここまで紹介した大園桃子さんと与田祐季さんの、「九州カントリーガールズ(田舎娘?)」がセンターになるのが、乃木坂46の18枚目のシングル、「逃げ水」です。

 ここからは、「逃げ水」の話をします。


<写真 道路の逃げ水>





 「逃げ水」は、強い日差しで路面や地面が熱せられると、地表付近の空気が温まって膨張し、密度が薄くなり、密度の薄い空気の層の上に、密度の濃い空気の層が乗るような形になり、二つの層の境界面で光が反射したり、屈折したりして、まるで水面が光を弾いているかのように見える現象で、蜃気楼の一種です。 英語では、ロード・ミラージュ(road mirage)と呼びます。

 「逃げ水」は、日本では古くから知られていて、「小倉百人一首」にも歌が掲載されている平安末期の歌人、源俊頼(みなもとの・としより 1055年~1129年)は次のような歌を詠んでいます。

「あづま路に ありといふなる 逃げ水の 逃げのがれても 世を過ぐすかな」

 俳句でも
「逃げ水を 追いて岬の 端に佇(た)つ」(福田甲子雄=ふくだ・きねお、1927~2005年)
など、多くの句が詠まれています。
 ところが、「逃げ水」は夏の季語ではなく、春の季語です。不思議ですね。


 最後は、もう一度、乃木坂46の神曲「逃げ水」の話です。

 逃げ水の選抜メンバー18人は、センターの2人を除けば、乃木坂1期生、2期生の人気メンバーで固められています。

 特に、フロントと呼ばれる最前列は、向かって左から順に、齋藤飛鳥さん(1期)、西野七瀬さん(1期)、大園桃子さん(3期)、与田祐季さん(3期)、白石麻衣さん(1期)、堀未央奈さん(2期)の6人で、乃木坂を代表する人気メンバーが、左右からセンターの2人を守るような形になっています。

 乃木坂46は、2011年の発足以来、売り上げも人気も、右上がりに上げて、公式ライバルAKB48に肉薄してきました。
 乃木坂46の運営は、その間、全員を同じ所属事務所に入れるなど、ほぼ完璧にやってきたと思いますが、一つ、誤算があったとしたら、2期生が1期生の人気に押されて、堀さん以外、埋没してしまったことだと思います。

 そこで、5万人近い応募者から選ばれた「3期生」を、「逃げ水」のように幻(ミラージュ)に終わらせないように、今回のフォーメーションを組んだのではないかと、思われます。

 3期生の新しい「第3の風」が、乃木坂46をこれまで以上に、坂道の上に押し上げてほしいと期待しています。

・一夏の セミの音色は 逃げ水(ミラージュ)に (自作句)
 


♪「逃げ水」(作詞:秋元康、作曲:谷村康平、歌:乃木坂46)♪


(1番)
日差しに切り取られた
市営球場から聴こえて来る
ひと夏の熱狂は
どれくらい風が吹けば醒めてくのか?


自分の声が 他人のように響くよ
客観的過ぎるのだろう
いつの日からか 僕は大人になって
走らなくなった


ミラージュ 遠くから見た時
道の向こう側に水たまりがあったんだ
近づいたらふいに消えてしまった
目指して来たのに どこへ行った? あの夢

(2番)
芝生のスプリンクラー
過ぎるその季節を止めようとする
半袖を着た人は
カーディガンをいつ肩に羽織るのか?


やりたいことはいつもいっぱいあったのに
できない理由 探していた
君と出会って 青春時代のように
夢中になれたよ


ミラージュ 僕が見ているもの
それが真実でも幻でも構わない
今確かに僕の目に映るなら
逃げてしまっても 追いかけたい この恋



大事なものはいつだって あやふやな存在
手を伸ばしても 何も触れられない
でもそこにあるってこと
信じるまっすぐさが 生きてく力だよ


ミラージュ 遠くから見た時
道の向こう側に水たまりがあったんだ
近づいたらふいに消えてしまった
目指して来たのに どこへ行った? あの夢♪

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