2017年6月25日日曜日

アイドルの坂道(7)さあ革命の時間だ?~第9回AKB48選抜総選挙名言集~

「さあ、革命の時間だ」をサブタイトルに、2017(平成29)年6月17日に「第9回AKB48選抜総選挙」が沖縄で行われました。(当初予定していた「豊崎海浜公園」でのイベントは、悪天候のため中止になりました。)
 今回は、この選抜総選挙で上位に入ったメンバーのスピーチの中から、「名言」を紹介します。

   まず、20位に入った須藤凛々花(すどうりりか 前回44位 NMB48 20歳、東京都出身)さんの「革命的爆弾発言」を紹介します。

 「大好きな大好きな皆さんに囲まれて、私は人の愛を知って初めて人を好きになりました。
 私、NMB48須藤凜々花は結婚します。
  すごく迷惑をかけることもわかっているんですけど、自分にも皆さんにもウソをつきたくないと思っています。真剣に生きていきたいと思います。」

 前代未聞の「結婚宣言」で、このあとの会場も場外も賛否両論で騒然となりました。

  アイドルと「恋愛禁止」は、暗黙の掟と言われています。
 確かに、異性のファンは、独身だから好きという人も多いし、だから「総選挙」で投票した人も多いので、今回の結婚宣言は「ルール違反」「ファンへの裏切り」という声が多いのもわかります。

 でも、本来、「結婚は自由」だし、最近は同姓のファンも多いし、結婚してもアイドル(ママドルなど)を続けている人も多いことを考えると、賛否両論があるのもわかります。
 「結婚」「恋愛」とアイドルの生き方について、須藤さんが一石を投じたのは間違いないと思います。
 ちなみに、須藤凛々花さんは、「卒業」の意向だそうです。


<写真 選抜総選挙の予定会場で悪天候で中止になった沖縄県豊崎海浜公園>



 2番目に紹介するのは、9位に入った岡田奈々(おかだなな 前回14位 AKB48・STU48兼任、19歳、神奈川県出身)さんです。

「今のままでは、AKB48グループの明るい未来は作れないと思います。
 スキャンダルだったり問題を起こして、それをネタにして這い上がるメンバーが多いです。
 まっすぐに頑張っている人が報われるように、変えていきたいです。
 これからは、48グループの風紀委員長を目指して全力が頑張っていきたいです。」

 「まじめすぎるぐらいまじめ」と定評のある、岡田奈々さんらしいコメントですね。彼女は、今年、新しく誕生したSTU(瀬戸内)48のキャプテンもしています。

 岡田奈々さんといえば、1959(昭和34)年生まれのアイドル歌手に同姓同名の人がいましたが、彼女の存在は、両親から聞かされていたそうです。
 岡田奈々さんの「まっすぐな一生懸命さ」が、新しい48グループを造ってくれるかも知れませんね、


 3人目は「ブスから神7」とも言われている、6位の須田亜香里(すだあかり、前回7位、SKE48、25歳、愛知県出身)さんです。

「コンプレックスや欠点って、出会うべき人と出会うためのものだと思うようになりました。
 本の帯で『ブスから神7』って書かれ、そこまで言わなくてもと思いました。
 でも、私は指原莉乃さんが切り開いてきた、見た目だけがすべてじゃないっていう部分を尊敬しています。私も、みんなの希望を引き継げるように頑張ります。」

 今回のAKB48選抜総選挙を見ていて、1つ気づいたのは、「すごくかわいい、すごい美人」の子が減って、見た目より個性で上位に来る子が多くなっていることです。
 その代表が、指原莉乃さんや須田亜香里さんです。
 須田さんは、「コンプレックス力 ~なぜ、逆境から這い上がれたのか」という本も書いています。
 見た目だけじゃない「アイドル像」は、新しいアイドルの姿を示唆しているのかも、知れませんね。


<写真 須田亜香里さんの著書>



今回は、選抜総選挙の速報でも、革命的なことがありました。
 指原莉乃さん、渡辺麻友さんらの有力候補を差し置いて、新生グループNGT48(新潟)の無名の萩野由佳さんが暫定1位になりました。
 次は、最終的に総合5位になった、その荻野由佳(おぎのゆか、前回95位、NGT48、18歳、埼玉県出身)さんの言葉です。

「小学校6年からAKB48に憧れ続けて、4年間ずっと落ち続けてきました。
 速報1位は、本当にビックリしたし、誰もが「なんで?」って思っただろうし、私が総選挙を壊してしまったのかな? と思ったこともありました。
 それでも、皆さんの愛だと受け取って、頑張ってきました。
 こんなにステキな順位(5位)をいただけるなんて夢のようです。私をアイドルにしてくれてありがとうございました。   
 この結果を、デビューして2年目のNGT48につなげたいです。」


 第9回AKB48選抜総選挙で、もう一つ目立ったのは、AKB48本体より、派生グループが躍進したことです。
 選抜に入った16人を、所属グループ(兼任を除く)別に見てみると、まずSKE48(愛知県名古屋市栄)が3位の松井珠里奈さんをはじめ5人を出して最も多く、NGT48(新潟県新潟市)が5位の荻野由佳さんら3人、HKT48(福岡県福岡市博多)が1位の指原莉乃さんら2人、NMB48(大阪府大阪市難波)も12位の白間美瑠さんら2人と、地方の派生グループで12人を占めています、
 本体のAKB48は、2位で卒業を表明した渡辺麻友さんをはじめ4人だけでした。


 最後の名言は、24万6376票を獲得し、前人未踏の選抜総選挙3連覇を達成した指原莉乃(さしはらりの、前回1位、HKT48、24歳 大分県出身)さんです。

「楽しいことばかりではない総選挙に出会え、参加できたことを幸せに思っています。
 今回の沖縄でのイベント、6月に野外でということに無理があったと思っています。すみませんでした。こういう積み重ねで、皆さんの信頼を失っていくのが本当に怖いです。
 そして大事な仲間が卒業発表して、本当に怖いです。
 AKB48、スタッフ・メンバーが一体となって頑張っていくので、見捨てないでください。
 こんな私をアイドルにしてくれた、ファンの皆さんに感謝します。」

 3連覇した指原さんの、「(AKB48グループを)見捨てないでください。」という言葉が、今のAKB48グループの危機感を表していると思います。
 身内で「総選挙」をして争っているうちに、乃木坂46や欅坂46などのアイドルグループが、もう無視できないところまで迫り、総選挙全体の投票数も減っています。
 「選抜総選挙」が、約300人の女性アイドルたちの青春であり、多くの名言を残してくれたのは間違いありませんが、今回の総選挙のサブタイトルのように、そろそろアイドル界に「革命」が起きそうな気配が濃厚です。


 最後は、AKB48の48枚目のシングル曲「願いごとの持ち腐れ♪」の歌詞の一部を紹介します。


♪「願い事の持ち腐れ」(作詞:秋元康、作曲:内山栞、歌:AKB48)♪


もしも魔法が使えて 
夢が一つ叶うならば
きっと 世界の誰もが
しあわせになる

(中略)

ある日 些細なことから
争っている二人がいた
僕は思わず願った
仲良くしてと--

僕にとって 一度きりの
大切な魔法 ここで使ったんだ
願いごとに 悔いはない
自分のためじゃ 迷うだけ

世界中が誰かのため
願えたら 一つになれる
微笑みは 愛の夜明けだ

願い事の 持ち腐れ
魔法なんか 欲しくはない

叶えたい夢は多いけど
本当の願いはなにか
見つけられたなら しあわせ

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