2017(平成29)年6月12日、東京都台東区の東京都立恩賜上野動物園で、ジャイアントパンダの「シンシン」が、子供を出産しました。
このニュースは、各放送局のトップニュースになり、経済効果は267億円とも言われています。
今回は、「日本のパンダ」について、紹介します。
最初に質問です。
「今回の赤ちゃんを入れて、今、日本には何頭のジャイアントパンダがいるでしょう?」
3頭?、4頭?---。
この答えは、後半で発表するとして、まず、パンダそのものについて紹介します。
パンダ(panda)は、ジャイアントパンダとレッサーパンダの2種類を総称していう呼称です。
このうち大型の「ジャイアントパンダ」の人気が高く、日本では単に「パンダ」という時は、「ジャイアントパンダ」をさす場合が多いので、今回のブログも、以下は「ジャイアントパンダ」の話をします。
野生のジャイアントパンダは中国大陸に生息し、食肉目クマ科に属します。(レッサーパンダはレッサーパンダ科)
中国政府の発表では、2015年現在、野生のパンダが約1800頭、飼育されているものが約400頭います。
パンダの語源は、ネパール語の「ホンヤ」(竹を食べるものの意味)、または同じネパール語の「パンジャ(手のひらの意味)」と言われています。
日本では、1972(昭和47)年に、日中国交正常化により上野動物園へ、カンカンとランランが贈られたのが、最初でした。
この時は、日本中がパンダブームに沸き、上野動物園には1日平均20万人、土日には、25万人を超える人が押し寄せ、何時間も待ったあげく、「立ち止まらないでください」とパンダ舎の前で、立ち止まることもできませんでした。
<上野動物園のパンダ(東京都)>
ここからは、日本の動物園のパンダの歴史です。
まず、今回話題になっている「上野動物園」のパンダの歴史を紹介します。
1972年に来園した初代の2頭、カンカン(1970年中国生~1972年来園~1980年死亡 オス)とランラン(1968年中国生~1972年来園~1979年死亡、メス)は人気者でしたが、結局、子供を作ることはありませんでした。
続いて、1980年に来園したホァンホァン(1972年中国生~1980年来園~1997年死亡、メス)と、1982年に来園したフェイフェイ(1967年中国生~1982年来園~1994年死亡、オス)のペアは、昭和から平成まで25年以上も生きた長寿ペアで、3頭の子供ももうけました。
最初に生まれたチュチュ(1985年上野動物園生まれ・死亡、オス)はわずか43時間で亡くなりましたが、2番目のトントン(1986年上野動物園生~2000年死亡、メス)と、3番目のユウユウ(1988年上野動物園生~1992年リンリンと交換で中国へ~2004年死亡、オス)は、14年以上も生きました。
他にも、メキシコの動物園から来て2003年から2005年まで上野動物園に滞在したシュアンシュアンや、ユウユウと交換で中国から来たリンリン(1985年中国生~1992年上野動物園へ~2008年死亡、オス)などもいました。
現在、上野動物園にいるリーリー(オス)とシンシン(メス)は、ともに2005年中国生まれで、2011年に一緒に、上野動物園に来ました。
翌2012年には、このペアの第1子となるオスが誕生しましたが、わずか6日で亡くなってしまいました。
そして、2017年6月12日に第2子が生まれ、上野動物園のジャイアントパンダは、2017年6月17日現在、3頭です。
日本の動物園で、上野以外にジャイアントパンダがいるのは、2カ所です。
まず、兵庫県神戸市の「王子動物園」に、1頭、メスのタンタンがいます。
王子動物園は、2000年から日中共同飼育研究でパンダを2頭飼っていましたが、1頭は亡くなってしまっています。
もう1カ所は、和歌山県白浜町にある「アドベンチャーワールド」で、ここにはなんと5頭のパンダがいます。しかも、つい最近、3頭が中国に行ってしまったので5頭になってしまいましたが、それまでは8頭いました。
アドベンチャーワールドは、1994年から中国成都の「ジャイアントパンダ繁殖研究基地」の日本支部として、繁殖研究をしています。
現在いる5頭は、永明、良浜、海浜、陽浜、優浜で、中国生まれの永明以外は、和歌山県生まれです。すべて白浜の「浜」の字が入っています。
実は、このアドベンチャーワールドでは、日本生まれのパンダの子供も含みこれまでに15頭ものパンダが生まれています。
ここのパンダは、ガラス越しではなく、生パンダがみることができます。
実は私は、国内のジャイアントパンダがいる3カ所とも、行ったことがあります。
東京が大騒ぎしているのに比べ、5頭もいる和歌山が騒がれないのは、ちょっとかわいそうな気がします。
それはともかく、2017年6月16日現在、日本の動物園にいるジャイアント・パンダは、東京3頭+兵庫県1頭+和歌山県5頭で、9頭ということになります。
当たりましたか?
<写真 笹を食べるパンダ(上野動物園)>
ここで、「パンダ・トリビア」を2つ紹介します。
1つは、「パンダの糞はいい匂いがする」という話です。
パンダは雑食動物で、腸は体長の4倍ほどで、ウシやヒツジなどの草食動物が20倍以上あるのに比べれば短く、草や竹が未消化で糞になることがあり、植物の匂いが残っているので「いい匂い?」がするという噂があります。
もう1つは、「なぜ、パンダは白黒なのか」です。
上野動物園のホームページなどによると、パンダは冬眠をせず、中国の雪深い山岳地域に住んでいます。
そこでは、冬の雪と岩のコントラストが白黒の景色になり、ちょうどパンダの白黒が風景に溶け込むから、敵にわかりににくいために、パンダは白黒だという説があります。
また、パンダの黒い部分は、耳、目の周り、肩から前足、そして後足です。
このうち、耳や手足の先などは寒くなりやすい部分なので、黒くすると熱吸収がよく寒さ対策に役立つという説もあります。
次は、私の中国でのパンダの思い出です。
中国の広州動物園でパンダを見た時、3つ驚きました。
1つは、日本のパンダのようにガラスのある建物にいるのではなく、手を伸ばせば届きそうな柵の中にいたことです。
2つめは、パンダ柵の前には、ほとんど人がいず、サルの柵の周りに、多くの人がいたことです。
「中国では、パンダはサルに人気で負ける」というのはショックでした。
もう一つ、ショックを受けたことがあります。
広州動物園から出たところで、現地の人が「5枚でしぇんえん、やすいよ」とパンダの刺繍入りのハンカチを売っていて、首を横にふると「10枚でしぇんえん」と言ってきたのです。
「10枚千円ならいいか。」と思って買って帰り、ホテルでよく見てみると、上手にハンカチを折っていただけで、実はやっぱり5枚でした。見事に、だまされたのがショックでした。
おしまいは、「パンダブーム」の1970年代に、フジテレビの子供向け番組「ママとあそぼうピンポンパン」で歌われていた、「パンダちゃん♪」という、当時のパンダへの憧れがあふれたかわいい歌を紹介します。
♪「パンダちゃん」(作詞:山下護久、作曲:服部克久、歌:石毛恭子)♪
♪
ねえ きいて パンダちゃん おはなししたいの
あたしね きのうね ちいさなタネをまいたの
ねえ きいて パンダちゃん あなたにあいたいの
きのうね みたのよ あなたのユメを
パンダ パンダ パンダ
Oh パンダ パンダ
パンダ パンダ パンダ
あなたが好きよ
ゆびきりね パンダちゃん
まっててほしいの
ふたりで お花に
つめたい 水 あげるの
まっていてね パンダちゃん
あなたのお部屋で
白いイスを ふたつならべて
Oh パンダ パンダ ねえ
いつか パンダちゃん
お花をあげたいの
あなたが すきよ♪
<1句> 白黒を つけろと言わない ほんわかパンダ
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