2017年6月18日日曜日

上野のパンダ誕生で日本にいるパンダは何頭? パンダ・トリビア

 2017(平成29)年6月12日、東京都台東区の東京都立恩賜上野動物園で、ジャイアントパンダの「シンシン」が、子供を出産しました。
 このニュースは、各放送局のトップニュースになり、経済効果は267億円とも言われています。
 今回は、「日本のパンダ」について、紹介します。

 最初に質問です。
「今回の赤ちゃんを入れて、今、日本には何頭のジャイアントパンダがいるでしょう?」
 3頭?、4頭?---。
 この答えは、後半で発表するとして、まず、パンダそのものについて紹介します。

 パンダ(panda)は、ジャイアントパンダとレッサーパンダの2種類を総称していう呼称です。
 このうち大型の「ジャイアントパンダ」の人気が高く、日本では単に「パンダ」という時は、「ジャイアントパンダ」をさす場合が多いので、今回のブログも、以下は「ジャイアントパンダ」の話をします。

 野生のジャイアントパンダは中国大陸に生息し、食肉目クマ科に属します。(レッサーパンダはレッサーパンダ科)
 中国政府の発表では、2015年現在、野生のパンダが約1800頭、飼育されているものが約400頭います。

 パンダの語源は、ネパール語の「ホンヤ」(竹を食べるものの意味)、または同じネパール語の「パンジャ(手のひらの意味)」と言われています。

 日本では、1972(昭和47)年に、日中国交正常化により上野動物園へ、カンカンとランランが贈られたのが、最初でした。
  この時は、日本中がパンダブームに沸き、上野動物園には1日平均20万人、土日には、25万人を超える人が押し寄せ、何時間も待ったあげく、「立ち止まらないでください」とパンダ舎の前で、立ち止まることもできませんでした。

<上野動物園のパンダ(東京都)>



 ここからは、日本の動物園のパンダの歴史です。
 まず、今回話題になっている「上野動物園」のパンダの歴史を紹介します。

 1972年に来園した初代の2頭、カンカン(1970年中国生~1972年来園~1980年死亡 オス)とランラン(1968年中国生~1972年来園~1979年死亡、メス)は人気者でしたが、結局、子供を作ることはありませんでした。
 
 続いて、1980年に来園したホァンホァン(1972年中国生~1980年来園~1997年死亡、メス)と、1982年に来園したフェイフェイ(1967年中国生~1982年来園~1994年死亡、オス)のペアは、昭和から平成まで25年以上も生きた長寿ペアで、3頭の子供ももうけました。

 最初に生まれたチュチュ(1985年上野動物園生まれ・死亡、オス)はわずか43時間で亡くなりましたが、2番目のトントン(1986年上野動物園生~2000年死亡、メス)と、3番目のユウユウ(1988年上野動物園生~1992年リンリンと交換で中国へ~2004年死亡、オス)は、14年以上も生きました。

 他にも、メキシコの動物園から来て2003年から2005年まで上野動物園に滞在したシュアンシュアンや、ユウユウと交換で中国から来たリンリン(1985年中国生~1992年上野動物園へ~2008年死亡、オス)などもいました。

 現在、上野動物園にいるリーリー(オス)とシンシン(メス)は、ともに2005年中国生まれで、2011年に一緒に、上野動物園に来ました。
 翌2012年には、このペアの第1子となるオスが誕生しましたが、わずか6日で亡くなってしまいました。
 そして、2017年6月12日に第2子が生まれ、上野動物園のジャイアントパンダは、2017年6月17日現在、3頭です。


 日本の動物園で、上野以外にジャイアントパンダがいるのは、2カ所です。

 まず、兵庫県神戸市の「王子動物園」に、1頭、メスのタンタンがいます。
 王子動物園は、2000年から日中共同飼育研究でパンダを2頭飼っていましたが、1頭は亡くなってしまっています。


 もう1カ所は、和歌山県白浜町にある「アドベンチャーワールド」で、ここにはなんと5頭のパンダがいます。しかも、つい最近、3頭が中国に行ってしまったので5頭になってしまいましたが、それまでは8頭いました。
 
 アドベンチャーワールドは、1994年から中国成都の「ジャイアントパンダ繁殖研究基地」の日本支部として、繁殖研究をしています。
 現在いる5頭は、永明、良浜、海浜、陽浜、優浜で、中国生まれの永明以外は、和歌山県生まれです。すべて白浜の「浜」の字が入っています。

 実は、このアドベンチャーワールドでは、日本生まれのパンダの子供も含みこれまでに15頭ものパンダが生まれています。
 ここのパンダは、ガラス越しではなく、生パンダがみることができます。
 
 実は私は、国内のジャイアントパンダがいる3カ所とも、行ったことがあります。
 東京が大騒ぎしているのに比べ、5頭もいる和歌山が騒がれないのは、ちょっとかわいそうな気がします。

 それはともかく、2017年6月16日現在、日本の動物園にいるジャイアント・パンダは、東京3頭+兵庫県1頭+和歌山県5頭で、9頭ということになります。
 当たりましたか?

<写真 笹を食べるパンダ(上野動物園)>



 ここで、「パンダ・トリビア」を2つ紹介します。

 1つは、「パンダの糞はいい匂いがする」という話です。
 パンダは雑食動物で、腸は体長の4倍ほどで、ウシやヒツジなどの草食動物が20倍以上あるのに比べれば短く、草や竹が未消化で糞になることがあり、植物の匂いが残っているので「いい匂い?」がするという噂があります。

 もう1つは、「なぜ、パンダは白黒なのか」です。
 上野動物園のホームページなどによると、パンダは冬眠をせず、中国の雪深い山岳地域に住んでいます。
 そこでは、冬の雪と岩のコントラストが白黒の景色になり、ちょうどパンダの白黒が風景に溶け込むから、敵にわかりににくいために、パンダは白黒だという説があります。
 また、パンダの黒い部分は、耳、目の周り、肩から前足、そして後足です。
 このうち、耳や手足の先などは寒くなりやすい部分なので、黒くすると熱吸収がよく寒さ対策に役立つという説もあります。


 次は、私の中国でのパンダの思い出です。
 中国の広州動物園でパンダを見た時、3つ驚きました。

 1つは、日本のパンダのようにガラスのある建物にいるのではなく、手を伸ばせば届きそうな柵の中にいたことです。

 2つめは、パンダ柵の前には、ほとんど人がいず、サルの柵の周りに、多くの人がいたことです。
「中国では、パンダはサルに人気で負ける」というのはショックでした。

 もう一つ、ショックを受けたことがあります。
 広州動物園から出たところで、現地の人が「5枚でしぇんえん、やすいよ」とパンダの刺繍入りのハンカチを売っていて、首を横にふると「10枚でしぇんえん」と言ってきたのです。
 「10枚千円ならいいか。」と思って買って帰り、ホテルでよく見てみると、上手にハンカチを折っていただけで、実はやっぱり5枚でした。見事に、だまされたのがショックでした。


 おしまいは、「パンダブーム」の1970年代に、フジテレビの子供向け番組「ママとあそぼうピンポンパン」で歌われていた、「パンダちゃん♪」という、当時のパンダへの憧れがあふれたかわいい歌を紹介します。 


♪「パンダちゃん」(作詞:山下護久、作曲:服部克久、歌:石毛恭子)♪


ねえ きいて パンダちゃん おはなししたいの
あたしね きのうね ちいさなタネをまいたの
ねえ きいて パンダちゃん あなたにあいたいの
きのうね みたのよ あなたのユメを

パンダ パンダ パンダ
Oh パンダ パンダ
パンダ パンダ パンダ
あなたが好きよ

ゆびきりね パンダちゃん
まっててほしいの
ふたりで お花に
つめたい 水 あげるの

まっていてね パンダちゃん
あなたのお部屋で
白いイスを ふたつならべて

Oh パンダ パンダ ねえ
いつか パンダちゃん
お花をあげたいの
あなたが すきよ♪

<1句> 白黒を つけろと言わない ほんわかパンダ



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