2017年5月3日水曜日

アイドルの坂道(6)乃木坂46を影で支えるポンコツキャプテン・桜井玲香さん

 アイドルグループのキャプテンと言えば、AKB48の初代総監督の高橋みなみさんのように、強力なリーダーシップをもった人が思い浮かびます。
 ところが、名実ともにAKB48のライバルに成長した乃木坂46のキャプテンは、リーダーシップとは無縁で、メンバーに「ポンコツ」と目の前で呼ばれても、おっとりと笑っています。
 今回は、そんなポンコツ・キャプテン、でも乃木坂46のまとめ役、桜井玲香(さくらい・れいか)さんを紹介します。


 桜井玲香さんは、1994(平成6)年5月16日、神奈川県横浜市の生まれで、幼稚園から高校3年生まで、カトリック系の女子校、カリタス学園(神奈川県川崎市)に通うお嬢さんでした。

 高校で入部していた華道部をはじめ、水泳、体操、テニス、ピアノなどを習うミッション・スクールのお嬢さんは、乃木坂46の結成時からのコンセプトだった「リセエンヌ(フランスのリセ<高校・中学>の女学生=フランスの女子高生)」を地で行く存在でした。

 そんな桜井玲香さんは、2011(平成23)年8月に、乃木坂46の1期生のオーデションに合格し、デビューしました。


<写真 桜井玲香さんの母校「カリタス学園」)




 桜井玲香さんは歌とダンスに定評があり、センターの経験こそありませんが、デビューから17枚目シングル「インフルエンサー」まで、ずっと選抜のポジションを守っています。

 一方で、桜井さんは、2012年2月のデビュー時に暫定キャプテンに就任し、2012年6月の3rdシングル「走れBicycle」から正式キャプテンに就任しました。
 以来、2017年5月現在、5年以上、乃木坂46の暫定キャプテン・正式キャンプテンを努めています。

 こう紹介すると、AKB48の高橋みなみ初代総監督のように、しっかり者だと思われがちですが、実は真逆で、おっとりとしているお嬢さんで、ミスを連発し、メンバーからは「ポンコツ・キャプテン」と呼ばれています。

 少し、桜井玲香さんのポンコツ・エピソードを紹介します。

・ライブ後、ホテルに帰るバスで爆睡しホテル到着に気づかず、一人だけ、ライブ会場へ逆送された。

・番組企画の「ヒット祈願・富士山登山」で、一人だけリタイア。

・クイズ番組で、珍回答を連発し、撃沈。

・ライブのMCでいきなり「クシャン」

・公式ブログの更新が極端に少なく、たまに更新すると誤字脱字だらけ。

 
 こんなことが多くあって、「たかみなさん(高橋みなみ)さんが相談相手ならよかった」(松村沙友理)とか「キャプテンにまとめられているみんなの方が疲れているよ」(中元日芽香)、「もう適当なんだから」(堀未央奈)などなど、メンバーからの直接クレームの嵐です。


 それでは、なぜ、桜井玲香・ポンコツキャプテンが今も続いていて、率いる乃木坂46が大躍進したのでしょうか?

 そのヒントは、桜井さんが高3まで在籍していたカリタス学園の教育理念にあるのではないかと、私は考えます。

 カリタス学園の教育理念は、「キリストの教えである『人はみな神様からいのちを授かった尊い存在である』ことを生徒1人ひとりが理解し、自分のことのように他者のことを考え、他者のために行動できる人に育ってほしい。」です。

さらに、「4つの心」が明記されています。

(1)祈る心:神に「祈る心」をもった謙虚で内面的深みのある人
(2)学ぶ心:何事にも「学ぶ心」を大切にするとともに、チャレンジ精神をもって自分の可能性を大きく開花させようとする人
(3)交わる心:自分の属する集団を大切にし、価値観の異なる人とも隔てなく「交わりの心」をもって接することのできる人
(4)奉仕する心:困っている人や弱い立場にある人に対して即座に手をさしのべられる「奉仕の心」をもった人

 キリスト教らしい、相手を尊重する精神にあふれていますが、特に「4つの心」の3番目、「自分のいる集団を大切にし、価値観の異なる人とも隔てなく「交わりの心」をもって接するという言葉の教えが、桜井さんのキャプテンぶりに、あらわれているのではないでしょうか。


<写真 桜井玲香さんファースト写真集「自由ということ」(2017年3月発売)>



 

メンバーとケンカしたり、ぶつかったりせず、上から目線ではなく「横から目線」で、いつもニコニコ接し、見守っているのが桜井キャプテンだと思います。 ですから、いつもはポンコツでも、ここ一番にはメンバーから、信頼されているのだと思います。


 たとえば、桜井さん以上にリーダーシップがあり、初代センターでもある生駒里奈さんがAKB48兼任として選抜総選挙に出る前、桜井キャンプテンにだけは相談し、「自分も応援するから、がんばりな。」と言われたことが支えになったそうです。

 また、乃木坂46の人気を背負う中心メンバーの一人、西野七瀬さんが、
悩みを抱えたまま誰にも相談せずにいた時に、キャップ(桜井玲香)から声を掛けられたけど「大丈夫」と答えてホテルに戻りました。
 すると、長文のLINEが西野さんに来て、
「最近はいろいろあってしんどいときもあるかもしれないけど一緒にがんばろうね。

あんまり相談事をしない人なんだとおもうけど、心配してるよ。
メンバーじゃなくて友達として話を聞くからね」
と書いて送ってくれたそうです。

 さらに、2016年11月に橋本奈々未さんがラジオで卒業・引退を発表する時、「一緒にいてほしいメンバーを2人選んでいいよ。」とスタッフに言われ、迷わず指名したのは、生田絵梨花さんと桜井玲香さんでした。
 理由は、「まじめで、ウソをつかない信頼できる人」だったそうです。

 普段はポンコツと言われていても、人生を左右するような大切な場面でメンバーから頼りにされている「本物のキャプテン」が桜井玲香さんで、彼女こそが縁の下で、「乃木坂大躍進」を支えているのかも、知れませんね。

 桜井玲香さんは、乃木坂46の活動に専念するため、高校3年でカリタス女子高等学校を転校しますが、その後、大学に合格し、今は明治学院大学に在籍しています。



 最後は、桜井玲香キャプテンのファンへの誓いの言葉を紹介します。
「絶対に皆さんを後悔させないようなグループになります!
 どこのグループにも負けないようなグループになります!
 だからずっとずっと、乃木坂のことを愛し続けてください!」

(2015年8月31日 神宮球場でのライブコンサートの最後の挨拶)

 ファイト 乃木坂46!
 ファイト ポンコツキャプテン、桜井玲香!



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