ゴールデンウィークの前日、宝くじで1等が当たった夢で目が覚めました。
「いいことが起きるかも」
そんな想いで、1日を過ごしていると、夕方、とんでもない連絡が届きました。
「かあさんがブレーキとアクセルを踏み間違えて大けが。病院へ入院した。」
実家の近くで教師をしている妹からのメールを見て、おどろきました。
「まさか」という気持ちでした。
あわてて車で2時間ほどかけて高速道路を走り、実家の近くの病院へ急行しました。
田舎で父と二人暮らしをしていた母が、ブレーキとアクセルを踏み間違え、家の前の空き地を越えて、ブロックを破壊し車ごと転落したのです。
車は前がグチャグチャになり、母は背骨を骨折し全治1ヶ月の重症でした。
不幸中の幸いだったのは、崖の高さが2mと低かったことと、負傷箇所が母の急所をはずれた半身麻痺は避けられたこと、そして中学校の通学路の自宅前の道に、生徒たちがいなかったことです。
おかげで、連休はすべて、母の付き添いと一人暮らしになった父の介護でつぶれてしましました。
でも、紙一重で、中学生を巻き込んだ事故で容疑者となってニュースになったり、母自身が半身不随になりかねなかったことを思うと、本当に母だけのケガでよかったなと思います。
日本では、年間6000件も、「ブレーキとアクセルを踏み間違う事故」が起きているそうです。
そう考えると、ある意味、宝くじがあたった夢は「正夢」だったのかも知れません。
<写真:車が飛び込みブロックが壊れた事故現場>
母が救急車で入院した病院は、ふるさとにある地域の中核病院で、ヘリポートもあります。 24時間、休む間もなく働く看護師さんたちを、母の付き添いをしながら見ていると、本当に頭の下がる思いでした。
私自身、以前、この病院に数年間勤務していましたが、その時は、仕事で精一杯でした。
しかし、いざ家族が入院してみると、本当にこの山間部の中核病院の役割の大切さが、身にしみてわかりました。
勤務する職員には、出世も、学術的な栄光も遠い存在の過疎地の病院ですが、地域の人たちには、間違いなく「MVH」(Most Valuable Hospital)ですね。
この病院で、仕事をした経験があることは、坂本龍馬風に言うと、「少し、えっへん」(誇り)かなとも思います。
完全看護の病院なので、母の看護は、精神的には疲れても、少し回復するとだいぶ楽になりました。
ところが、病院での看護以上に疲れたのは、独居老人になってしまった父の介護でした。
連休のほとんどを父と自宅にいて気づいたのは、父は、見かけはしっかりしていますが、耳は遠いし、
理解力が不足し、トイレも近くて油断できません。
犬の散歩でも、帰りには手押し車の上に子犬を乗せて帰ってきます。
子犬は嬉しそうですが、これでは、犬が人間を散歩させているように見えます。(笑い)
また、お風呂に入れるために近くの温泉施設へ行くと、しっかり自分で入浴したので安心して帰ろうとすると、「下駄箱のカギがない」と言いだし、30分以上の大捜索になりました。
結局は、下駄箱にカギを付けたままで入浴したことがわかりましたが、温泉での滞在時間は2時間を超えました。(冷汗)
さらに、2人なので、あまり必要のないお米を、毎朝、父がお釜いっぱい炊いてくれたので、カレーライスぐらいをして食べても追いつかずに、テーブルの上は「おにぎり」と「お椀のごはん」でいっぱいになりました。
介護を普段してくれている妹と母への感謝、そして、母の「ブレーキとアクセルを踏み間違い事故」を含め、急に身近になった「高齢化」の問題の深刻さを痛感させられた「GW(ゴールデンウィーク、いや、グランドマーザーandグランドファーザー・ウイーク)」でした。
<写真:母が入院した病棟の廊下>
ゴールデンウィークの間、久しぶりに実家にいて父の介護をしながら、人生を俯瞰(ふかん)してみました。 これまで、どう生きて来たか。
これから、どう生きて行くか。
今回のことをポジティブに考えれば、それを考えるいい機会となったと言えます。
考えた内容については、別の機会に紹介するとして、おしまいに、「高齢化社会」の歌を紹介したいと思います。
ところが、ネットで検索してみると、「子供の歌」はたくさん出てきても、「老人の歌」はものすごく少ないことに気づきました。
「孫♪」「大きな古時計♪」など、ほんの少ししか老人の歌は、見つかりませんでした。
老人ホームや老人会には、人が溢れ、歌が流行っているのに、淋しいことですね。
そんな中で、「手紙~親愛なる子供たちへ♪」という、作者・不詳(ポルトガル語)で角智織さんが訳し、樋口了一さんが作曲した名曲が見つかりましたので、一部を紹介します。
♪「手紙 ~ 親愛なる子供たちへ」♪
(作詞:不詳、訳詞:角智織、作曲:樋口了一 2009年)
♪
年老いた私が ある日
今までの私と 違っていたとしても
どうかそのままの 私のことを 理解して欲しい
私が服の上に 食べ物をこぼしても
靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを 教えたように 見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も 繰り返しても
その結末を どうかさえぎらずに うなずいて欲しい
あなたにせかまれて 繰り返し読んだ絵本の
あたたかな結末は いつも同じでも
私の心を 平和にしてくれた
悲しいことではないんだ
消えて去って行くように 見える私の心へと
励ましの まなざしを 向けてほしい
(中略)
私の姿を見て 悲しんだり
自分が無力だと 思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力が ないのを知るのは つらい事だけど
私を理解して支えてくれる
心だけを 持っていて欲しい
きっとそれだけで それだけで
私には勇気が わいてくるのです
あなたの人生の始まりに 私がしっかりと 付き添ったように
私の人生の終わりに 少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで
私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変らぬ愛を
持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ♪
すごく良い歌です。
興味のある方は、ぜひ「You Tube」で聞いてみてください。
今年のGWで、私は、学生の頃、やっていた福祉ボランティアを思い出しました。
今で言えば、支援学校や養護施設へ行った時の衝撃とやさしさをもう一度、思い出して、
親のため、社会のため、自分のため、子供のため、
これから、何ができるのか。
真剣に考えてみようと、しみじみ思いました。
そういう意味で、2017年のGWは、「グッド・ウィーク」であったと、信じたい私です。
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