2017年10月21日土曜日

超大型台風21号が選挙列島直撃の恐れ ~台風の備えも投票も早めに~

 台風21号(1721「ラン(LAN)」=アメリカの提案名でマーシャル語で「嵐」の意味)が、超大型で非常に強い勢力で、本州の南海上を北上していて、10月22日から23日にかけて、西日本~東日本に接近し、上陸する恐れもあります。十分な備えをして厳戒してください。


 気象庁の発表では、2017(平成29)年10月21日午後3時現在、台風21号は南大東島の南400kmの北緯20度20分、東経132度00分にあって、時速20kmで北東に進んでいます。
 中心気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50m/sで、「超大型で非常に強い勢力」を保っています。

 22日(日)の午後3時には、高知県室戸岬の南約400kmに達し、22日(日)の夜から23日(月)にかけて、西日本(関西)から東日本(関東)に接近し、上陸する恐れもあります。
 さらに、その後、東北・北海道にも接近・上陸する可能性があります。
 厳重に警戒してください。


 今度の台風は、「超大型で非常に強く」、広い範囲で強い風と大雨が降る恐れがあります。

 台風の大きさは、15m以上の風が吹く強風域の範囲で決まります。
 強風域が500km~800kmのものが「大型の台風」、800km以上のものを「超大型の台風」と呼びます。
 今回の台風21号の強風域は、10月21日午後3時現在、中心から半径950kmの範囲で、超大型です。
 ちなみに、21世紀(2001年~)に発生した台風404個のうち、「超大型の台風」は今回で8個目ですので、「超大型」になる台風は、わずか2%ということになります。

 一方、台風の強さは、中心付近の最大風速(10分間の平均)で決まります。
 風速33m以上44m未満が「強い台風」で、風速44m以上54m未満が「非常に強い台風」、風速54m以上が「猛烈な台風」になります。
 台風21号は、21日午後3時現在、中心付近の最大風速が50mですので、「非常に強い台風」ということになります。

 さらに、日本本土の南の「台風21号」との間の太平洋上には、前線が東西にありますので台風から離れていても大雨が降る可能性があります。

 まとめると、強い風雨が、広い範囲(台風から離れていても)で、吹いたり降ったりする可能性が高いので、できるだけ早くから、台風に対する備えが必要です。


<台風21号(10月21日15時現在) 気象庁HPより>




 ここからは、以前紹介した「大雨・洪水・避難の情報」を、台風接近前に、もう1度、わかりやすく紹介します。

 まず、大雨についての気象情報には、基本的には「大雨注意報」「大雨警報」、そして「大雨特別警報」の3つがあります。
 大雨注意報は、「大雨による災害(浸水や土砂災害など)が起こる可能性があることを知らせ、災害への準備や情報取得などに注意するよう呼びかけるもの」です。

 一方、「大雨警報」は、「重大な災害が起こることを警告するもの」で、自治体の避難情報に合わせての避難や、住宅でとどまる場合でもより安全な場所(2階や崖から離れた部屋)でいるなど、大雨災害への警戒を呼びかけるものです。

 「大雨注意報」や「大雨警報」の発表基準は、浸水災害については「その場所及び流域の1時間または3時間の雨量」、土砂災害については「地面にどれぐらいの雨量が含まれているか(土壌雨量指数)」です。

 ちょっと難しい数値ですので、東京都千代田区を例にして思い切って簡単に言うと、「大雨警報」は、1時間34mm以上の大雨が予想される時か、「累積雨量-時間数(h)×2」が180mmを超えた時に発表されます。

 この「大雨警報」より、さらに危険度が高まり、数十年に1度の大雨が予想される時に出されるのが「大雨特別警報」です。
 これは、その地域にいる人に、ただちに命を守る行動をとるように呼びかけるものです。


<「大雨関係の気象情報の活用例」気象庁HPより>



 「大雨注意報」「大雨警報」「大雨特別警報」を補完する情報として、気象庁が発表するのが、1時間100mm以上の猛烈な雨が降った場合(雨量計のない所ではレーダー解析などで推定)に出されるのが、「記録的短時間大雨情報」です。

 最近は、この情報が非常に多くなっていて、豪雨の頻度が増えています。十分な注意が必要です。

 また、ある地域の「土砂災害(がけ崩れなど)」の危険性が増し、ただちに避難する必要がある場合に、気象庁と都道府県などから共同で出されるのが「土砂災害警戒情報」です。


 ここまでをまとめると、大雨情報の危険度ランクでは、低い方から高い方へ「(1)大雨注意報→(2)大雨警報→(3)記録的短時間大雨情報・土砂災害警戒情報→(4)大雨特別警報」ということになります。

 特に、(3)及び(4)は「スーパー警報」と言ってもいい情報で、この場合は、全力で身を守る行動(避難が基本ですが、浸水などがあれば自宅の安全な場所でいることも選択枝です)が必要です。


 もう一つ、「竜巻注意情報」は、雷雨警報が出ている時に、竜巻の恐れが高まった時に出されるもので、有効期間はおよそ1時間で、その後も継続される場合は、何度も出されます。


 
一方、気象庁が単独で発表する「洪水警報」とは別に、川の増水やはん濫などに対する水防活動や住民の避難行動の参考となるように、「気象庁と、国土交通省または都道府県の機関」とが共同して、「あらかじめ指定した河川」について、洪水の予報を行うのが、「指定河川洪水予報」です。

  危険度の高い方から順に、
・「レベル5 はん濫発生情報(洪水が発生している状態)」、
・「レベル4 はん濫危険情報(はん濫が発生する危険が差し迫っている状態)、
・「レベル3 はん濫警戒情報」、
・「レベル2 はん濫注意情報」、
・「レベル1 水防団待機水位」
があります。

 ここでも、レベル4になると「ただちに避難が必要」ですが、すでにはん濫しているレベル5の場合には、避難ルートが浸水しているかどうかを見て、より安全な行動をとることが必要です。(自宅の2階以上にいる方が安全な場合もあります。)


 さらに、避難の必要性を、市区町村などの自治体が住民に呼びかけるのが、「避難情報」で3種類あります。

 まず、「避難準備情報」は、文字通り避難準備をするようにとの情報ですが、お年寄りや子供など自分だけで避難出来ない人がいる場合は、この段階での避難が必要です。(2016年、岩手県のグループホームで避難が遅れ多くの犠牲者が出たことを思い出してください。)

 次に「避難勧告」は、危険が迫っているので避難をするように呼びかけるものです。
 さらに、明白な危機が迫ったときに出されるのが「避難指示」です。

 ただし、避難情報は市区町村長の判断で出すので、最近は、行政の出し遅れの責任回避のために「○○市全域に避難指示」という場合も多く、自分のいる場所がどのようになったら避難するのかは、普段から各家庭や職場で、ハザードマップや過去の水害の例などを参考に、考えておき自主避難の基準を考えることも重要です。


 気象庁は、最近発生した多くの重大災害や、競争相手である民間気象会社が出来た危機感から、たくさんの気象情報を出してくれています。
 しかし、問題は、これらの情報を適切私たちが取得し、その情報をうまく活用できるかどうかです。


 防災気象情報を、スマホやテレビ・ラジオ、防災無線などで収集し、台風21号の接近に厳戒してください。
 また、3日分の水や食糧、懐中電灯なども事前に用意して「台風に備え」てください。
 

<衆議院総選挙のポスター>
 



 最後に、10月22日は「衆議院議員総選挙」です。 選挙結果は「無風か嵐か」は、わかりませんが、その前に本物の台風の嵐が、日本列島を直撃しそうですね。

 選挙に行くのは大切ですが、台風の進路や風雨の強まる時間帯を調べて、「期日前投票」の活用も含め、安全な投票に努めましょう。
(本土の人は、22日なら午前中が午後よりも、比較的安全かも?)

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