2018年2月11日日曜日

21世紀最大の流行「インフルエンザ」対策と「インフルエンサー」 

 今年の冬は、特別寒く、福井県などの北陸をはじめ、関東や西日本各地でも大雪になっています。そのせいか、全国的に「インフルエンザ」が大流行しています。

 今回は、21世紀になって最大の流行と言われている「インフルエンザ」の状況と対策について紹介し、後半は2017年のレコード大賞を受賞した乃木坂46の「インフルエンサー」♪を紹介します。

 「国立感染症研究所」の発表では、2018(平成30)年1月29日~2月4日までの1週間は、定点あたり(医療機関 約5000が対象)の患者数は54.33人で、インフルエンザ患者の推計数は、21世紀になって最多の282万人に達し、全国47都道府県すべてで、警報レベルになっています。
 去年の秋以降の推計の累計患者数も、1393万人となりました。

 インフルエンザは全国的に流行していますが、都道府県別で定点あたりの患者数が特に多いのは、大分県(77.09)がトップで、ついで、2位が福岡県(69.96)、3位が埼玉県(68.29)、4位が神奈川県(66.31)、5位が高知県(66.19)となっています。
 そのあとは、6位鹿児島県、7位千葉県、8位愛知県、9位山口県、10位佐賀県の順です。
 地域別では、九州と関東が多いですね。

 年代別では、10歳未満が91万人、10代が62万人、20代が16万人、30代が22万人、40代が29万人、50代が22万人、60代が19万人、70代以上が22万人で、20歳未満が半分以上を占めています。
 インフルエンザの抵抗力が弱い、若年層に患者が多いのは毎年のことですが、今年は特にその傾向が強く、保育園・幼稚園や学校の休校、学年閉鎖、学級閉鎖は、10、752件に上っています。

 もう1つ、今年のインフルエンザ流行の大きな特徴は、A型とB型の2つがダブルで流行していることです。
 これは1度かかっても、もう1度かかる可能性があることを示しています。

 2018年になって国内で検出されたインフルエンザウイルスの型は、「B型」が最も多く、次いで「AH3型(A香港型)」、「AH1pdm09型(2009年に流行した型)」の順となっています。


<2018年2月10日現在の都道府県別のインフルエンザ警報・注意報の発表状況(47都道府県全部に警報が出ていて真っ赤です)>




 そもそも、インフルエンザ(英語 infuluenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症のことです。
 日本では、「流行性感冒」または「流感(りゅうかん)」とも呼ばれています。

 流行が周期的に起こることから、16世紀のイタリアで命名され、占星術師たちが病気の原因を「星や寒気」の影響(infuluence)だと考えたことが、語源だと言われています。

 「たかがインフルエンザ」と言われる方もいますが、毎年、世界で25万人~50万人がインフルエンザで死亡している恐い病気です。
 特に子供や老人、呼吸器や循環器に疾患があったり、糖尿病の患者などは感染しやすく、重症化のリスクも高いです。「たかがインフルエンザ、されどインフルエンザ」です。

 また、世界的な大流行(パンデミック)が、歴史上、何度も記録されています。
 20世紀以降でも、大正7(1918)年から流行した「スペインインフルエンザ(原因ウイルス:A(H1N1)亜型)」による死亡者数は全世界で2,000万人とも4,000万人ともいわれ、日本でも約40万人の犠牲者が出たと推定されています。
 その後、昭和32(1957)年には「アジアインフルエンザ(A(H2N2)亜型)」が、昭和43(1968)年には「香港インフルエンザ(A(H3N2)亜型)」が、そして平成21(2009)年には、「インフルエンザ(H1N1)2009」が世界的な大流行を起こしています。
 

 インフルエンザには、A型、B型、C型の3種類がありますが、特にA型とB型は、流行しやすい性質をもっており、今年もこの2つが流行しています。

 次にインフルエンザの主な症状としては、(1)38度以上の高熱、(2)頭痛・筋肉痛・倦怠感、(3)上気道炎症、などがあり、感染後の潜伏期間は1~2日、一般的に治癒していくのには1週間程度かかります。
 しかし、重症化すると、呼吸器に二次的な細菌感染症(肺炎など)を起こし、死亡する危険もありますので、警戒が必要です。


 感染は、せきやくしゃみなどで周囲1~2mに唾液が飛び散り感染する「飛沫感染」と、感染者のウイルスが直接の接触や「ティッシュやテーブル・布団などに着いたあとに別の人がそれらを触ること」でうつる「接触感染」の2つがあります。(人が触らない状態だと、ウイルスは約15分間生きています。)

 「学校保健安全法」では、インフルエンザ(鳥インフルエンザ等を除く)は、第2種の感染症に指定されていて、発症後5日か解熱後2日が過ぎるまでは、学校への生徒の出席は停止になります。



<インフルエンザの予防法>




 予防法としては、まず「(1) 手洗い」があります。
 外出から帰って来たときや感染の恐れある人や物に接触した場合などに、まず流水で手を洗い、その後、ハンカチなどで拭いて、最後に石けんで洗うかアルコール消毒することが有効です。
 また、うがいもしておく必要があります。

 次に、「(2) 人混みに行かないこと」も重要です。

 どうしても外出する時は、「マスクをする」か、「せきやくしゃみをする時は唾液が飛び散らないようにハンカチや袖で口を覆うこと」などの、「(3)せきエチケット」が大切です。
 せきエチケットは、他人にうつさないという意味もあり重要です。(写真「進撃の咳エチケット」参照)

 さらに、「(4)十分な休養や睡眠をとること」も重要です。

 「(5)予防接種の注射」は重症化を防ぐ効果があり、致死率を5分の1に減らすと言われています。      ただし、予防接種ワクチンは免疫がつくまでに2週間程度の時間が必要ですので、流行前にする(11月~12月)必要があります。
 現在のように「警報発令中」にするのは、危険ですしあまり効果が期待できません。

 A型インフルエンザの治療薬として「アマンタジン」、高熱への対応として「解熱剤」などを使うことがありますが、どちらも副作用の危険がありますので、お医者さんと相談してください。


 今年のインフルエンサは私のまわりでも深刻で、私の関係する学校や職場でも多くのインフルエンザ患者が出ています。また、私の母が入院している病院では、「高校生以下の見舞いはご遠慮ください」との張り紙も出ています。

 一人一人がインフルエンザ予防を徹底して、早くインフルエンザの流行が終息させたいものですね。


<「進撃の咳エチケット」(厚生労働省のちらし)>






 後半は、「インフルエンザ」と同じく、「影響(infuluence)」という言葉が語源の「インフルエンサー」の話です。

 「インフルエンサー」は、英語の影響者の意味で、主にインターネットのブログやSNSなどを通じて、世間に与える影響が大きい人を指します。
 「流行発信源(人物)」、あるいは「購買中心点」とも言われています。

 21世紀になって、「インフルエンサー」の影響力が無視できないことが指摘され、インフルエンサーを活用した購買戦略が、「インフルエンサー・マーケティング」と言わるようになりました。
 ただ、この方法は、「やらせ」や「情報操作」につながる危険があるとも言われています。

 「インフルエンサー」という言葉を有名にしたのは、2017年3月22日にアイドルグループ「乃木坂46」が、その名も「インフルエンサー」という曲を発表し、売り上げミリオン(103万枚)を達成して、さらに「日本レコード大賞」を受賞したことです。

 それでは、インフルエンサーの意味を踏まえて、乃木坂46の♪「インフルエンサー」の歌詞の1番をご覧ください。



♪「インフルエンサー」(作詞:秋元 康、作曲:すみだしんや、歌:乃木坂46)♪


ブンブンブン ブンブンブン
ブンブンブン ブンブンブン
インフルエンサー
(HEY!HEY!HEY!)

ブンブンブン ブンブンブン
ブンブンブン ブンブンブン
インフルエンサー
(HEY!HEY!HEY!)

いつだって 知らないうちに
僕は見まわしている(何度も)
君がどこで何をしているか
気になってしまうんだ
(落ち着かなくなる)

声くらい掛ければいい
誰もが思うだろう(できない)
君がいる場所がわかったら
僕には地図になるんだ

気配以上 会話未満
恋はいつも余所余所(よそよそ)しい

胸騒ぎが聴こえないように
世界から言葉なんか
消えてしまえばいい

地球と太陽みたいに
光と影が生まれて
君を探してばかり
距離は縮まらない
(HEY!HEY!HEY!)

重力 引力 惹かれて
1から10まで君次第
存在するだけで
影響 与えてる
インフルエンサー

ブンブンブン ブンブンブン
ブンブンブン ブンブンブン
インフルエンサー
(HEY!HEY!HEY!)



 最後は、2017年12月に、インフルエンザ大流行する前に、掛かりつけ医師の勧めで、いやいやインフルエンザの予防接種を受けた時に作った、じゅんくうの詩「インフルエンザとインフルエンサー」をご覧ください。



詩「インフルエンザとインフルエンサー」



掛かりつけの病院に
クスリをもらいに行った

昼前の閑散とした待合で呼ばれて
ドクターのいる診察室
いつもの診察受けたあと

「ところでインフルエンザの予防注射、しませんか?
かからないためではなく 重症にならないために」

本当はブルブル 
イヤイヤだったけど

いつもお世話になっている、ネット得意のドクターの熱弁に
「じゃあ、注射お願いします」
と忖度して
言ってしまった


ドクターは 影響力のあるインフルエンサー
インフルエンサーに言われたインフルエンザ予防接種

ドキドキ ハラハラ
予防接種

チクッと痛かったけど
目を閉じて打った

木枯らしの師走の風に
インフルエンザが目覚めぬように

12月の街を彷徨ったあと
家で夜まで眠った

インフルエンザと
インフルエンザーの
コラボレーション

(じゅんくう詩集より)



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